- 2024/09/24 掲載
米国債市場の流動性、FRB引き締め前の水準に=ニューヨーク連銀
[ニューヨーク 23日 ロイター] - 米ニューヨーク連邦準備銀行は23日、米国債市場の流動性が連邦準備理事会(FRB)による2022年の利上げ開始前の水準に戻ったことを明らかにした。
調査統計グループの資本市場調査責任者マイケル・フレミング氏が、「24年の国債市場の流動性が、現在の金融引き締めサイクル開始前の水準まで改善していることが示されている」と連銀のブログに投稿した。
フレミング氏は、流動性の指標である、国債の最高入札価格と最低売り出し価格の差を分析。23年3月の米地方銀行破綻などを巡る余波でスプレッドは拡大したが、23年半ば以降は狭く安定している。
最高入札価格とオファー価格で売買できる国債の平均量も23年3月以降は増加を示している。ただ、今年8月初旬には市場予想を下回る米雇用統計と日銀による予想外の利上げによって金融市場が動揺したことで、一時的に減少した。
このほか、国債の買い手もしくは売り手が取引を開始した際の価格変動の改善状況も分析した。23年3月の混乱期には急上昇したが、その後は21年後半と22年初めに見られた水準にまで低下し、24年8月初めに一時的に再上昇したとも指摘した。
FRBがインフレ抑制のために利上げを開始して以来、米国債価格が大きく下落するなど変動が大きかったため、取引時に価格が大きく上下しない状況をもたらす流動性は過去数年間で悪化していた。
米財務省などは近年、米国の債券市場での取引要件を改善し、混乱を回避するための取り組みを始めている。
それでも多くの市場参加者は、20年3月に新型コロナウイルス禍に直面した際に流動性が急速に悪化したような市場の脆弱性が、ボラティリティが急上昇したり過剰な国債発行が続いたりすることで再び起きる可能性があると懸念している。
フレミング氏は「大規模な取引を円滑に処理する市場の役割は20年3月以来の懸念事項だ。国債市場の流動性を注意深く監視し、市場の回復力を向上させるための継続的な取り組みが必要だ」と指摘した。
PR
PR
PR