- 2024/09/07 掲載
FRB利下げの地合い整う、雇用統計受け 大幅緩和か見解割れる
[6日 ロイター] - 8月の米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが予想を下回ったことを受け、米連邦準備理事会(FRB)が今月の会合で利下げに着手する地合いが整ったとの見方がエコノミストの間で大勢となっている。ただ、利下げ幅についてはなお見解が割れている。
非農業部門雇用者数は前月比14万2000人増で予想を下回った。ただ失業率は4.2%で前月の4.3%から小幅低下し、労働市場の減速が引き続き秩序だったものであることを示唆した。
FRBが9月17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%ポイントの利下げを決定する確率は現時点で35%であることが短期金利市場で織り込まれているが、雇用統計発表直後は55%まで上昇した。
インフレーション・インサイツのプレジデント、オマール・シャリフ氏は「今は0.50%ポイントの利下げを実施するときだ」と指摘。雇用統計発表前は利下げ幅は通常通りの0.25%ポイントになるとの見方が大勢だったが、これに反する予想を示した。
過去3カ月間の雇用者数の増加数は、月平均で11万6000人に縮小。需要を満たすのに必要とされる20万人を大きく下回っている。シャリフ氏はこれについて、過去3カ月のうちの2カ月の雇用の増加幅は小さかったため統計上のノイズだった可能性があるとした上で、「この2カ月分について、雇用増がゼロではなかったと言い切れるかは分からない」と述べた。
ただ、8月は失業率が小幅に改善。FRBが大幅引き上げに動くかどうか、アナリストの間で見解は割れている。
レイモンド・ジェームズのチーフエコノミスト、ユージニオ・アレマン氏は「労働市場が減速しているのは明らかで、FRBは行動を開始する必要がある」と述べた。
ただ、最初の利下げの幅は0.25%ポイントになると予想。「現在は天変地異が起きているような状況ではない。FRBが0.50%ポイントの利下げを決定すれば、経済が崩壊しつつあるという誤ったシグナルを市場に送ることになる」とし、「FRBはそのような事態は望んでいない」と語った。
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