- 2024/08/09 掲載
FRB当局者、今後の利下げ示唆 市場混乱ではなく指標で判断
[8日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)の政策当局者らは8日、インフレ率が十分に鈍化しており、今後利下げが可能になるという確信が強まっていると指摘した。利下げの規模や時期は株式市場の混乱への対応としてではなく経済指標に応じて判断すると表明した。
2日に発表された7月の米雇用統計が軟調となったことを受け、世界の株式市場は混乱。米景気後退懸念が高まり、より積極的な利下げが必要になるとの見方が広がった。
リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は米株式市場について、最近の下落後も年初来では依然として上昇しているとし、「激変の出来事」ではないとの見方を示した。
また「インフレの全ての要素が落ち着きつつあるようだ」とし、企業経営者から聞いている話に基づき、この状況が今後も続くことに期待していると述べた。
米労働市場の減速は解雇の増加ではなく雇用の伸び鈍化によるものだという認識も示した。
「経済が緩やかに正常化しつつあり、着実かつ計画的に金利を正常化できる状況にあるのかを見極める時間はある」と述べた。
カンザスシティー地区連銀のシュミッド総裁も、最近の市場の混乱に言及し、「金融情勢は経済動向に関する重要な情報を明らかにすると同時に、それが波及して実体経済に影響を与えることもある」と指摘。
その上で「FRBは(雇用最大化と物価安定という)2つの責務の達成に引き続き焦点を当てる必要がある」と述べた。
現在のインフレ率が2.5%前後となる中、最近の「心強い」データはインフレがFRBの目標に向けて鈍化しているという確信を強め、利下げの用意を整えるとの見方を示した。
米経済は堅調で、消費者の需要は強く、労働市場ははっきりと減速しているものの、失業率の上昇以外の指標を考慮すればなお「かなり健全」だと指摘し、FRBの現在の政策スタンスは「さほど制約的ではない」とも述べた。
シカゴ地区連銀のグールスビー総裁は、FRBの仕事は株式市場の急落や政治的事象に対応することではないとの見解を改めて示した。
FRBの政策については制約的だとし、インフレ率が低下している中で据え置けばさらに制約的になり、労働市場に悪影響を及ぼすリスクがあるとの見解を改めて示した。
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