- 2024/08/02 掲載
株価急落「緊張感持ち注視」、円安是正なら物価下落も=鈴木財務相
Shinichi Uchida
[東京 2日 ロイター] - 鈴木俊一財務相は2日の閣議後会見で、日経平均が一時2000円超安となるなど株価が急落したことについて「引き続き緊張感を持って市場の動向を注視しなければならない」と述べた。物価高と為替の関連では、今後円安が是正されるなら、物価水準は「ある程度の範囲までは下がってくる」との期待感を示した。
鈴木財務相は足元の株安について、日々の動向の要因を一概に言うのは難しいと指摘。株安の影響に関して「ここ1、2日の動きをもってこれから先のことをいろいろ推測するのも必ずしも適切ではない」とも語った。
日銀の利上げなどを受けて円高が進んだことによる影響について、プラス・マイナス双方があるとし、為替相場の急激な変動は、企業活動の不確実性を高め国民生活に悪影響を及ぼす恐れもあると指摘した。「今後とも為替相場の変動が日本経済や国民生活に与える影響を的確に分析しながら、適切に対応していきたい」とした。
物価高と為替の関連では、円安の継続により輸入物価が高騰したことが物価高の一因になったとの認識を示し、今後円安が是正されるなら、物価水準は「ある程度の範囲までは下がってくる」との期待感を示した。
日銀の利上げや国債買い入れ減額計画による財政政策への影響を巡り、鈴木財務相は「政府としてこれまで以上に気を引き締めて財政健全化に取り組み、財政余力を可能な限り生み出す努力をしていくことが重要」と述べ、あわせて適切な国債管理政策も重要だと説明した。国債の円滑な消化に向け、市場との対話などを通じて「しっかりした国債管理政策をとっていきたい」と語った。
政府・日銀の共同声明の扱いに関しては、総合的に考えて「今の状況であえて見直さなければならないという状況にはない」と話した。
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