- 2024/04/10 掲載
中国、自動車運搬船の発注急増 EV輸出拡大で
[北京/上海 10日 ロイター] - 中国企業が電気自動車(EV)の輸出急増を背景に記録的なペースで自動車運搬船の発注を増やしている。アナリストによると、同国の自動車運搬船の保有隻数は現在の世界8位から2028年までに世界4位に浮上する見通しだ。
海運コンサルティング会社ベソン・ノーティカルのデータによると、中国は現在、33隻の自動車運搬船を保有。首位は日本で283隻。2位はノルウェーの102隻、3位は韓国の72隻、4位はマン島61隻となっている。
ただ、中国企業は現在47隻を発注しており、発注隻数は世界全体の4分の1を占める。発注元は上海汽車集団、奇瑞汽車 、比亜迪(BYD)など。国内自動車メーカーの委託で海運大手の中国遠洋海運集団(COSCO) や招商局集団も運搬船を発注している。
ベソンのアナリスト、アンドレア・デ・ルカ氏は「引き渡しが終われば、中国の自動車運搬船の保有シェアは現在の2.4%から8.7%に急上昇する。新たな貿易ルートは、ほぼ全て中国の自動車メーカーのために確立されることになるだろう」と述べた。
発注先は主に中国の造船所で、世界の発注全体の82%を獲得している。
中国の自動車メーカーは、国内の値下げ競争や需要・景気低迷を受けて、自国よりも高い価格で販売できる海外への輸出を強化。中国は昨年、日本を抜いて世界最大の自動車輸出国となった。
自動車メーカーは、輸送コストの上昇や政府の支援を受け、自前で運搬船を購入している。海運コンサルティング会社クラークソンによると、6500台の車両を運搬できる船舶のチャーター料は昨年末時点で1日当たり11万5000ドルと、19年の平均の7倍以上に達した。
米欧は中国が国内の過剰生産能力に対処するため、安価な製品を大量に海外に輸出していると批判。一方の中国政府は、米欧の批判は的外れであり、イノベーションを過小評価し、補助金の役割を誇張していると反論している。
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