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- 2022/07/21 掲載
トラブル急増中、アジャイル開発の契約で「大失敗」を防ぐ5つのポイント
アジャイル開発での契約トラブルが急増中
試行錯誤を繰り返すDXとの親和性の高さから、利用が急伸するアジャイル開発。だが、「それに伴い、外部委託先との契約に苦慮する企業も増えています」と指摘するのは、ガートナージャパン シニア ディレクター アナリストの土屋隆一氏だ。とある契約では予算を5割超過してリリースする結果となり、その後引き継いだベンダーも情報不足で調査工数がかかる結果となったというものだ。そこでの苦い経験から、ガートナーに相談を寄せる企業は年々、増えているという。思わぬ落とし穴に陥らないために土屋氏が必要性を訴えるのが、次の5つの観点での契約内容の確認だ。
どのような契約を結べばよいのか? 4つの類型とは
1つ目は、委託先がどう業務に従事するかを決定する「契約類型」だ。選択肢は「準委任(履行割合)」「準委任(成果完成)」「請負」「派遣」の4つである。このうち、前2つの違いは、支払い基準が前者で「業務の実施」、後者で「成果の完成」であることだ。前者は要件が不確定な契約に、後者はベンダーに品質を担保させたい契約にそれぞれ向くという。ガートナーが146社に実施した調査によれば、アジャイル開発で採用されているのは、準委任(履行割合)とする割合が50%で最も高く、準委任(成果完成)が17%、請負が31%、派遣が2%だった。
請負は受託業務の完成と瑕疵担保の義務をベンダーが負うことから、「要件の大半を事前に決められるが、残りの部分をイテレーションで柔軟にしたいケースで有効です」(土屋氏)。派遣は、ベンダー要員に指示を出しても唯一、偽装請負にならない契約だが、「ベンダー要員の勤怠管理などの手間が厄介です」(土屋氏)。
それらのすべてでリスクとなるのが、何らかの問題発生時にベンダーが契約上の義務がないとして免責を主張することだ。また、準委任(成果完成)では、要件が不確定な場合に見積もりが高額になってしまうこと、派遣では、適切な指示を与えられないことでベンダーが有効に機能しないことなどがある。
免責の対策となるのは当然だが、ベンダー担当作業の達成基準の定義だ。また、まずは小規模プロジェクトを実施し、ベンダーの生産性が安定した後、準委任(成果完成型)や請負の契約を結ぶことで、不確定さに起因する見積もりの肥大化をそれだけ抑えられる。派遣利用時には、スプリントなどでベンダー要員の作業の詳細を把握しておく必要がある。
【次ページ】料金体系はどう設定すべき? インセンティブは必要か?
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