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- 2022/03/01 掲載
空前の人材獲得競争、アマゾンが基本給を最大4,000万円に上げる理由
アマゾンで人材流出、米国で報じられるさまざまな課題
2022年2月、アマゾンが米国社員(コーポレート&技術職)の年間基本給与の最高額を既存の16万ドル(約1,842万円)から35万ドル(約4,031万円)に上げるとのニュースが報じられ、国内外で話題となっている。この第一報を報じたのは、米テックメディアのGeekWireだ。
GeekWireの2022年2月7日の記事によると、米アマゾンは社内向けサイトで、基本給与の最高額を35万ドルに上げる計画を発表。その理由として、人材獲得競争の激化を挙げている。
米メディアの報道を俯瞰してみると、この計画の背景には内的要因と外的要因があり、それらが相まって、この大きな変化につながったことが見えてくる。
内的要因として挙げられるのは、米アマゾンにおける人材流出問題とそれに関連する労働環境問題だ。
この点については、ブルームバーグ2022年1月24日の記事が詳しく伝えている。
同記事によると、アマゾンでは2021年だけで、シニアマネジメントレベルの役職の1つであるVice Presidnent職の人材が50人退職、同社史上最多を記録したという。ブルームバーグは他のメディア報道も踏まえ、同社の離職率は「危機的」状況に近づいていると伝えている。
また、クラウド事業AWSの上級エンジニア管理職だった人物の話として、2021年のクラウド部門の離職率は20%以上、また同部門でもユニットによっては、50%を超えたところもあると報じている。
一方アマゾン側は、この数字は極度に誇張されたものであり、実際の離職率はこれらよりもかなり低いものだと主張している。
正確な数字は分からないところだが、多くの社員が流出しているのは事実のようだ。その流出は、いくつかの理由によって起こっていると推察される。
報じられている主な理由の1つは、ワークライフバランスがとれない過酷な労働環境。また、そのハードワークに見合う金銭的なインセンティブが小さいということが指摘されている。
米国全体での転職機運の高まりによる影響
こうした内的要因に加え、米国全体で起こっている「大退職(great resignation)」トレンドが外的要因として、アマゾンに給与増のプレッシャーを与えている可能性もある。大退職トレンドとは、米国で2021年4月頃に始まった人材市場における大量退職の動きだ。
ワクチン接種率の増加と景況感の改善を受け、同月には米国内の退職者数が400万人と過去最高を記録。同時に求人数も930万件と過去最多を記録した。
米国の人材市場全体が転職しやすい状況となったため、より良い労働環境や給与を求め、アマゾンでも多くの社員が流出したと考えられる。
【次ページ】伸び悩むアマゾン株価とインセンティブの関係
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