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- 2020/11/21 掲載
ボランタリー・チェーンとは何か?コンビニのフランチャイズとは違う連携のカタチ
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ボランタリー・チェーンの基本コンセプト
ボランタリー・チェーンとは、個々の独立小売店が、同じ目的を持った仲間とともに組織を作り、チェーン店のような仕組みを作るビジネスモデルです。似た概念にフランチャイズがありますが、下図のように、ボランタリー・チェーンでは加盟店自らが本部を結成するのに対し、フランチャイズでは本部と加盟店が分かれています。この点が大きく異なります。- 中小の小売店同士が協力しあってコスト削減を行う互助モデル
- 大量一括仕入れや、共同設備投資によってコストを削減する
- 加盟店が参加する本部での情報共有や改善施策がチェーンの存続を左右する
特定の地域や、病院、大学などの施設内で営業するヤマザキYショップは、ボランタリー・チェーンの代表例です。加盟店は「ヤマザキYショップ」というブランドや販促物の使用、Y ショップブランドの商品仕入れを行うために、加入金と月々の固定運営費を本部に支払いますが、売上に応じたロイヤルティはありません。また、販売する商品に制約がないため、お店で手作りしたお菓子や惣菜、中古車を販売する店舗もあります。
このビジネスモデルの特徴は、次の通りです。
- 取扱商品や販売方法の自由度が高いため、地域や顧客の特徴を反映した価格と品揃えが可能
- 加盟店同士での「共同一括仕入れ」によってコストを削減できる
- 店舗同士の情報共有を基にしてサービス改善ができる
このことから、ボランタリー・チェーンは「個人営業主とフランチャイズのいいとこ取り」ともいえます。
事例1:CGCグループ
東京都新宿区を中心に都内で28店舗、神奈川5店舗、千葉2店舗がある三徳スーパーを運営する三徳の独立部門であるCGCジャパンは、全国の中堅スーパーを加盟店にして、共同仕入れや商品開発を行う組織です。国内の参加企業は208社、店舗数4,119店、グループトータル年商4兆6,017億円で、日本では最大、世界でも2位の規模を誇るボランタリー・チェーンです。CGCとは「Co-operative Grocer Chain」(共同で食料品を扱うチェーン)の略称で、4つのボランタリー事業を柱としています。
1つ目は、グループのスケールメリットを生かした共同仕入れとプライベート商品(PB商品)の開発、2つ目は物流センターの共同運営、3つ目は商品仕入れと物流計画を支える情報システムの共同事業で、加盟店のPOSデータを一括管理して売れ筋分析や業務効率改善を行っています。4つ目は、グループ共通のクレジットカード事業や銀行ATM の設置など最終ユーザーへのサービス拡張の協力です。
CGCグループの特徴は、グループ規模を背景にメーカーや卸に対して価格交渉力を持っている点にあります。一方で、フレンドリーな店員や、地域ニーズに応えた商品揃えなど、中堅小売店ならではの良さも残した「いいとこ取り」をしています。
【次ページ】ボランタリー・チェーンの成立条件
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