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- 2020/09/25 掲載
【図解】プロシューマーとは何か? 自ら製品開発して販売する消費者ビジネスの仕組み
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プロシューマーとは何か?
プロシューマーとは、「プロデューサー」(Producer:生産者)と「コンシューマー」(Consumer:消費者)からなる造語です。未来学者のアルビン・トフラー(Alvin Toffler,1928-2016)は、1980年に著書『第三の波』(中央公論新社)の中で、生産と消費とを一体化する新しいタイプの生活者のことを「プロシューマー」と名付けました。特に近年、インターネットのインフラが整ったこともあり、消費者が企業に直接その声を伝えることや、消費者自身が自分の作品をインターネット上で販売することが可能となり、プロシューマーの存在が注目されています。なお、プロシューマーの参画によって製品開発や製品の改良がなされることを「ユーザーイノベーション」と呼びます。
- 企業の製品開発に関与したり、自ら製品を販売したりする消費者のこと
- プロシューマーが情報発信できるインフラやテーマを整えることが重要
現代的なプロシューマーには、大きく以下の2タイプが存在します。
(1)企業の製品開発に関与する消費者
消費者の価値観の多様化もあり、企業はユーザーニーズを正確に把握することが困難になりました。そこで、消費者に企業の製品開発に携わってもらうことで、その声を理解しようとする取り組みが広まっています。こういった取り組みは「消費者参加型製品開発」と呼ばれています。
たとえば、丸井では「シューズラボプラス by 0101(マルイ)」というコミュニティサイトを運営することで、顧客の意見を活かしたプライベートブランドの靴の商品企画に取り組んでいます。
(2)自ら製品開発し、販売する消費者
企業の製品開発に関与するのではなく、自ら製品・サービス開発を行い、それを自分の手で販売する取り組みが次々と生まれています。
たとえば、スマートフォンのアプリは個人でも開発することができ、そしてApp StoreやGoogle Playで販売することが可能です。また、LINEのスタンプも個人による作成・販売が可能です。
事例1:良品計画
「無印良品(MUJI)」を展開する良品計画では、2001年からインターネット上の顧客コミュニティを活用した消費者参加型製品開発に取り組んでいます。取り組みの中からは「体にフィットするソファ」や「持ち運びできるあかり」などのヒット商品も生まれています。現在も、同社のウェブサイト「IDEA PARK」を通じて消費者の声を拾い上げ、それらを活かした製品開発を行っています。2015年には、年間で4,600の商品のリクエストを消費者から集め、実際に約100の商品にその声を反映しています。アイデアを投稿した会員にはMUJI マイルを付与することで参加を促進し、顧客を商品作りに巻き込んでいます。
事例2:minne
GMOペパボが展開する「minne」は、ハンドメイド・手作り・クラフト作品の販売・購入ができる日本最大級のウェブサービスです。同サイトでは、消費者が自ら制作したハンドメイド作品やリメイク作品を販売し、収益を上げることができます。たとえば同サイトでは、個人が手作り・リメイクしたアクセサリーや、インテリア、アート作品、作品制作のための素材などが販売されており、人気作家ともなると月に数十万の収入を得ることができます。同社は消費者間の売買代金から手数料収入(販売代金の10%)を得ています。
【次ページ】プロシューマーの成立条件
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