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- 2020/09/24 掲載
製造業の営業改革、新たな勝ちパターンを見つけるための具体的ノウハウとは?
コロナ禍を転機に、営業スタイルの大改革を進めるべきだ
実際、コロナの影響によって、一部のカテゴリーを除いて購買意欲の低下が起こり始めている。これは恐らく中期的に長引くもので、消費者だけでなくメーカーの仕入れなども意欲が低下していくことだろう。そのため、特定かつ少数の得意先で売り上げの大部分を得ていた場合、その得意先が景気変動の影響を受けることで自社へのダメージが甚大になるリスクが高い。
「このタイミングで、今までの行動を変えていかなければ、感染拡大が長期化した時にさらに厳しい状況に陥ってしまう」と大橋氏は危惧し、「リスクを分散する意味で、新規顧客を開拓したり、休眠顧客を発掘したりして、広く関係作りをしていく必要がある」と語る。
マーケティングを効率化している製造業はわずか、今が差をつけるチャンスだ
特定の顧客に依存せず、多様な企業と広く関係づくりを行うために必要なこととは何だろうか。大橋氏が提案するのが「顧客情報の整理」と「会社としての一括管理」だ。「営業部員の机の中に名刺が眠っていたりしないでしょうか。あるいは営業部員が顧客に対してどのようなコンタクトを取っているかといった情報を蓄積できているでしょうか。顧客を知らなければ、デジタルを活用した営業は始められません」と大橋氏は話す。
その上で、メールなどによるマーケティングアプローチや、顧客への定期的な情報提供を行っていくことが、広く関係作りをするためには必要となるという。
「新製品や最新事例の紹介、生産中止情報などをメールマガジンで顧客リストに配信していきます。今は、購入する顧客も情報収集に苦心しているはず。定期的な情報提供を戦略的に行うことで、受け取ったほうにメリットを感じてもらい、その結果、現在の状況が改善された時に第一に想起してもらえる存在になることが狙いです」(大橋氏)
現状、製造業における「営業」の場面でのデジタル活用は、ほとんど進んでいない。経済産業省が毎年作成している「ものづくり白書」の2019年版によると、「顧客とのやり取りや、マーケティングを効率化している」企業は3.9%しかない状況だ。
特にコロナ禍に直面して初めて、データを活用した営業に目を向ける企業も多いのではないだろうか。逆に捉えれば、このタイミングで取り組み始めた企業は今後、他企業より頭一つ抜け出せる可能性が高いともいえる。
【次ページ】データを活用した営業の勝ちパターンを3つのステップで解説
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