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少子高齢化が問題となっている。内閣府「令和元年版少子化社会対策白書」によると、2018年の日本の総人口1億2,644万人に対し、2065年には人口が8,808万人まで減少すると予測されている。そこで少子化対策を念頭に入れつつ、男女の出会いを提供している相席屋を運営するセクションエイト 執行役員 小泉由貴子氏に話を聞いた。
相席屋を超える「AISEKIYA」とは?
「相席」というかたちで出会いをサポートする「相席屋」が誕生したのは、2014年3月の赤羽だ。現在では全国約50店舗を展開し、マッチング数は累計約530万にのぼる(2019年9月現在)。
そんななか同社は「相席屋を超えるAISEKIYA」として2019年7月、AISEKIYA横浜西口店をオープンさせた。同店は2月に誕生したAISEKIYA うめだ お初天神店(大阪府)のノウハウを進化させて誕生した、関東初出店の店舗だ。
「相席屋」と「AISEKIYA」の違いは何か、セクションエイト 執行役員 小泉由貴子氏は「少子高齢化対策として、婚活ビジネスの重要性は高まっています。そのため新しい『AISEKIYA』では、『より恋に落ちやすい空間』づくりをすることで日本の社会問題にも貢献できればと考えています。これまでの相席屋は居酒屋のようにテーブルをはさんでイスに座るスタイルでした。新しいAISEKIYAでは、座席をL字型に変更。テーブルやイスを、ローテーブルとソファーに変えることでリラックスしながら楽しめる空間としました。照明も女性がきれいに見える明るさにこだわっています」と語る。
これまでのノウハウをもとにした最新システムも導入している。来店した客がどのような人との相席を希望か把握したうえで、コンピューター上でその情報を管理しマッチングしている。以前はそれをボードで行っていたというからかなりの進化だ。
料金設定は、女性の相席料は無料、男性は有料。男女共にチャージ料の500円必要だが、会員アプリ登録で無料となる。料理や飲み物も無料(一部有料メニューあり)と、かなりお得に楽しめるシステムだ。
「他にも席替えの意志表示方法が変わりました。これまでは席替えを希望の際は、カードを店員に渡すか、化粧室へ行く途中でスタッフに話しかける必要がありました。AISEKIYAでは席に設置されたタブレットを通じて、料理を注文するフリをしながら席移動申請ができるようになったのです」(小泉氏)
さらに相席屋は2人以上の来店者限定であったが1人相席もOKとした(時間帯によりお断りの可能性あり)。料理もローストビーフやクスクスのハンバーグ、シュリンプのカクテルなど、趣向を凝らした品が提供されている。
料理の充実度は、滞在時間に関係しているという。先にオープンしたAISEKIYA うめだ お初天神店では、滞在時間が5時間を超える人も多くいる。もちろん料理だけの理由ではないが、居心地の良さとおいしい料理の提供は、滞在時間を延ばす理由の1つになっているようだ。
出会いに「相席」という形態を使う意味
出会い系アプリや結婚相談所など、出会いのチャンスが数多くある現代。相席というスタイルを選ぶメリットとは何だろうか。
取材当日、相席屋を使っている女性に話を聞くことができた。彼女たちは「出会いのために来ている訳ではない」と言う。本音と建前の問題もあるだろうが、逆にいえば気軽に楽しめる点が、出会い系アプリや結婚相談所とは違う魅力といえるのかもしれない。だが小泉氏の見解は違った。
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