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  • 2019/07/25 掲載

ギタリスト・布袋寅泰氏が語る「最新のHOTEIが最高のHOTEI」の真髄

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ロックミュージシャンであり、ギタリストの布袋寅泰氏。BOØWY解散後、独立してからはそれまでとは異なる方向性で音楽を追求してきた。同氏が「変化」を起こすためにとってきた選択とは何だったのか。電通エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターである国見昭仁氏に対し、クリエイティブにかける思いを披露した。
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当日は同アルバムのコンセプトワードである「自由になれよ。」を考案した電通エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターである国見昭仁氏をモデレータに迎え、“セッション”を繰り広げた。

伝説のバンドサウンドとは異なるギタリズムを発表

 布袋寅泰氏は日本屈指のギタリストであり、ロックミュージシャンだ。現在は英・ロンドンに生活の拠点を置き、日英で音楽活動を精力的に行っている。登壇した5月29日は、同氏の最新アルバム「GUITARHYTHM(ギタリズム) Ⅵ」の発売日だった。Ⅵという名称が付いているように、「ギタリズム」というタイトルのアルバムとしては6枚目となる。

 初めて「ギタリズム」というタイトルのアルバムがリリースされたのは、31年前のBOØWYを解散した年だ。当時、高校1年生でBOØWYの音楽を聴いていた国見氏は、「BOØWYのような音を期待していたが違った。でもがっかりではなく、別次元に飛ばれたような感覚を感じた」と、その衝撃を振り返る。

 「ギタリズム」はBOØWYの高品質でシンプルなロックサウンドとはまったく異なり、コンピューターとギターで表現されたロックサウンドが特長のアルバムだ。布袋氏は31年前を振り返り、「新しい音への挑戦だった」と語る。

 1981年に結成し、1988年4月、東京ドームでのライブ『LAST GIGS』をもって活動を終えたBOØWY。ロックファンの間ではBOØWYの存在は伝説だと言われている。

 国見氏は「BOØWYの音は伝説と言われ、その音を継承すれば伝説のままでいられる。なぜ、音を変えたのか。それに不安はなかったのか」と質問した。布袋氏は「背負ってしまえばずっと背負い続けないといけない。そこからエスケープしたいという気持ちもあったかもしれないが、それよりも遊び心、やんちゃ心が勝った。聞いたことのない、見たことのない世界を描きたい、もっと一歩先に行くんだという意思表示、そういう気持ちを大切にした」と言い切った。そんな思いから、まずはギターとコンピューターというコンセプトを作り、作曲、レコーディングに入ったという。

 実際、リリースした際はブーイングもあったと布袋氏は当時を振り返る。「でも、ファンが期待するとおりの作品を作るのは面白くない。もちろん満足させないといけないというプレッシャーはあるが、それがクリエイターとしてモノづくりをする理由でもある」(布袋氏)

 伝説のBOØWYの音からギタリズムへ。この思い切ったチャレンジが今の布袋氏を作っているという。

ロンドン拠点で見えてきたモノとは

 布袋氏の大胆なチャレンジはこれだけにとどまらない。2012年にロンドンに家族と共に活動拠点を移したことは、ある意味ゼロスタートに近い。その点について不安はなかったのかとの問いに布袋氏は、「日本での活動の場がしっかりあったので、本当の意味でのゼロスタートではなかった」と振り返る。

 とはいえ、日本では1万人のアリーナクラス、さらに5万人のドームクラスのライブを経験してきた布袋氏だ。ロンドンではライブハウスでの活動がほとんどだったという。

「(観客数は)100人~300人で、手を伸ばすところにお客さまがいるんです。もちろん知名度もないので、チケットが売れなくて悔しい思いもしました。(中略)ロンドンで改めて、『スタートって、こうだった』と思い出しました。目の前にいる観客を自分の音楽でハッピーにし、また来てもらえるよう、1人の観客と自分というミニマムな関係を築くことに注力しました」(布袋氏)

 ロンドンに拠点を移したことで、視点、考え方も変わったという。たとえば、布袋氏が住居を構えているのは、テムズ川にかかっているハマースミス橋を渡ったところだ。同地域はロンドン市外まで近く便利なところだが、ハマースミ橋は老朽化し、2019年4月に車両通行止めになった。しかも自治体からは事前に何の連絡もなく、突如、「閉鎖されました」というメールが届いたという。

「そんなこと、日本ではありえないでしょ。でもイライラしていたのはウチの家族だけで、近所に住んでいる人たちは、『車が減って空気がきれいになっていいんじゃないか』『もともとのビレッジらしさが戻っていいんじゃいか』という反応でした。なんともおおらかというか、ポジティブシンキングなんですよ。そういう感覚の違いの1つひとつが、刺激になっています」(布袋氏)

【次ページ】ギタリスト・布袋寅泰氏の哲学
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