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- 2015/12/14 掲載
導入企業のメッセージから読み解くOffice 365やマシンラーニング、Windows 10の事情
イノベーションを取り入れ、常に進化するOffice 365の最新動向
日本マイクロソフトのプライベートイベント「FEST2015」が9月に開催された。イベントの中でOfficeに関して、米Microsoftのジョン・ケース氏が登壇し、最新の機能について説明した。
ケース氏は「Officeは25年前に開発されたが、いまOffice 365はクラウドを中心に展開されており、より素早くイノベーションを発揮できるようになった」と自信を見せる。
「日本は人口構成が変わり、労働の高齢化が進んでいる。ワークスタイルも変化し、組織を超えた協業が行われるようにった。デバイスも増え、扱い切れないほどのデータが生成され、セキュリティリスクも大きくなっている」(ケース氏)
ヤフーや資生堂、日立はなぜOffice 365を導入したのか
続いてケース氏は、この変化に対応するためにOffice 365を導入した代表的な日本企業のビデオメッセージを紹介した。まずヤフーの宮坂 学 代表取締役 社長が「“どこでもオフィス”という新制度を始めた。なぜ毎日、会社で仕事をしなければいけないのか? クラウドの進展により社員に説明がつかなくなっている。空間を超えて働けるようにしたいと考えている」と述べた。
次に資生堂の魚谷 雅彦 代表取締役 執行役員社長 CEOは「顧客の意識や行動の変化が早くなっている。我々の対応も速くしなければならない。組織をフラットにして、経営層と社員の距離感を縮める必要がある」とし、意思決定を速める体制の必要性を示した。
日立製作所の岩田 眞次郎 代表執行役 執行役副社長は「第一四半期で海外売上が50%を超えた。従業員も30%が外国人だ。時間と空間を超えて仕事をするために、ExchangeやLyncなどの標準的なコミュニケーションツールが重要になっている」と強調した。
このようなビジネスリーダーのトレンドを捉え、ケース氏は「マイクロソフトは、オフィス外でも仕事が可能なテレワークの推進や、モバイルによる生産性の向上、新しいコミュニケーションとコラボレーションへの対応を考えている。また人間の処理を超える無限のデータを処理するためには、多くのインテリジェントツールが必要であり、その分析結果もOffice 365に直接統合できるようになる」と説明し、関連ツールについて紹介した。
日本マイクロソフトの越川 慎司氏は「ビッグデータを活用して新しいビジネスにつなげ、生産性を向上させることが重要」とし、Office 365上で人と人との関係や背景、行動を把握できる企業内検索ツール「Office Delve」のデモを実施した。
Delveによって、チームのやりとりをクラウド側でトラッキングし、関係性や働き方を分析したうえで、そのユーザーにとって必要な情報をインテリジェントに提示できる。さらに、Delveを利用した「Excel 2016」では、クラウド側から必要な情報をもらい、クライアント側で将来予測を自動的に行えるようになるという。クラウドとクライアント側の連携機能は今後も展開していくそうだ。
次にケース氏は、クラウドのセキュリティについて「Office 365では“Advanced Thread Protection”などに大きな投資を行ってきた。またデータの暗号化と保護を強化し、クラウド側もクライアント側も、エンタープライズ級のセキュリティを実現した」と説明。
最後に同氏は「Delveだけでなく、コンテキストに基づく“Contextual Dynamics CRM”や“Cloud PBX”“Skype for Business”などもリリースされる。Office 365は、この1年間で180もの新しいフィーチャーを導入してきた。市場トレンドを捉え、ユーザーに新たな機会を提供している」と述べ、今後続々と登場するサービスを示した。
【次ページ】 米本社の担当が語る、Windows 10における4つのビジネス価値
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