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- 2015/12/08 掲載
ガン治療を支えるIoT活用、粒子線治療装置の一元管理が治療中・治療後の安心を支える
クローズアップされる放射線治療
治療方法には、「手術」「化学療法」「放射線治療」の3種類が知られているが、高齢化に伴って体力が低下してくると、手術や化学療法は難しくなってくる。そこで昨今、クローズアップされているのが放射線治療の分野だ。
放射線治療のなかには、大きく分けてX線治療と粒子線(陽子線)治療という2つの治療法がある。X線は、体の内部に入るに従って、線量の強度が減衰していく。一方、陽子線の場合は、ある深さにおいて最大のエネルギーを発散し、その後は消えてしまうという治療に非常に都合のよい性質を有している。
陽子線治療では、この最大ピークエネルギーが出る場所を「ブラッグピーク」と呼んでいるが、その位置をうまく調整することによって、ガン細胞のみを狙い撃ちできるメリットがある。さらにX線に比べて、ガン周辺の正常組織のダメージを低減できるという点も患者に優しいところだという。
いま陽子線治療を受けられる施設は全国で6ヵ所ほど。最先端の陽子線治療を開発し、販売しているのが日立製作所だ。「PTC LiveWorx Japan 2015」に登壇した日立製作所 ヘルスケア社 放射線治療システム事業部 事業部長 中村文人氏は、同社がシステムを納入した名古屋陽子治療センターについて、その概要を紹介した。
【次ページ】粒子線治療装置は24時間の監視が必須になる
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