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  • 2015/07/14 掲載

なぜ中国人社員は、ボーナス前に「見え見えの」点数稼ぎをするのか

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中国という大きな存在。政治的にも経済的にも、この大国とどう付き合ってゆくべきかには関心を持たざるをえない。そしてここに、ベトナムという事例がある。戦いの歴史とも言える中国・ベトナム関係において、圧倒的な国力の差にもかかわらず、ベトナムは実は負けていない。大国と言えば、アメリカに対してもベトナム戦争に負けなかった。今月7日には、戦争以来初となるベトナム最高指導者の訪米、グエン・フー・チョン氏とオバマ大統領の会談が実現している。このように、小さい身ながらも、巨大な相手と互角に戦える、どうしたらそれができるのだろうか。
執筆:中村 繁夫
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机上の空論では中国と付き合えない

 日本人は中国との本当の付き合い方を知らない――。

 いきなり何を言い出すのかと思われるかもしれないが、政治はもとより一般のビジネスにおいても日本人の中国との付き合い下手が目につく。

 必要以上に身構えたり、敵視や見下したかと思えば、自分に都合の悪い場面では媚びるような態度を取ったりする。これでは世界から「外交下手」「子どもの付き合い」と呼ばれても仕方ないだろう。

 ひと言で言ってしまえば、付き合い方を知らない相手に対して挙動不審になっているようなものである。これが十代の若者の恋愛ならいざ知らず、大の大人の、それもビジネスでの関係においても見られるのはいかがなものか。

 このままでは、日本の将来のためにあまりにもまずい。嫌悪でもおもねるのでもなく、地政学的に切っても切り離せない隣人として「大人の付き合い」をするためにどうすればいいのかを明らかにしたいと思う。

 だが中国に直接教えを請うのは甚だ情けない。そこで、中国との付き合い方の兄貴分としてご登場願うのがベトナムである。なにしろ、ベトナムと中国との関係の複雑さは日本のそれとの比ではない。1000年に及ぶ中国の支配はベトナムに科挙制度などの官僚統治の仕組みや漢字文化、儒教などをもたらす一方で民族的なアイデンティティを呼び起こした。

 長い歴史の中で、史実として明らかになっているだけでも中国との15回もの戦いがあり、その都度徹底して抵抗しつつ、一方では朝貢外交をしながら「北属南進」と呼ばれる南への領土拡大も図っていたのである。つまり、中国という大国相手に決して負けず、一筋縄ではいかない高度な外交術を身に付けてきたのがベトナムなのだ。

 最近では、西沙諸島における中国との衝突でも、自国の主権は徹底的に守る強硬姿勢を示し、国際世論を味方につけつつも、中国との関係を破壊する「決定的な衝突」は避け、結果的に中国側を撤退させASEANを団結させるという「勝利の結実」を得た。

 なぜ、こうした本当の意味で「賢い」中国との付き合い方がベトナムにできて、日本にはできないのか。

【次ページ】 商船三井の事件、もしこれがベトナムなら
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