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- 2015/03/25 掲載
新野淳一が明かす、SEと営業のためのヒアリングテクニック(前編)
モデレータのヒアリングテクニックから学ぶ
超大手SIerからヒアリング講座の依頼が
僕は仕事としてほとんど毎月のようにパネルディスカッションのモデレータをしています。今年に入っても、インフォテリアの「ASTERIA Cloud Conference 2015」、F5の「F5 Agility Tokyo 2015」でモデレータを行い、3月13日にはCloud Days Tokyo 2015の「Cisco Cloud Solution Day」に登壇しました。おそらく過去10年以上、IT分野でもっとも多くモデレータを経験している人間であることは間違いないと思います。前述の依頼をいただいた会社(国内の超大手SIerさんです)でも、依頼をいただく数カ月前に同社内の大きな勉強会でディスカッションのモデレータをさせていただきました。そのときにも壇上のパネリストから適切な発言をうまく引き出せたようで、それが社内研修の担当の方に見込まれて、ヒアリング講座の依頼につながったのです。
パネルディスカッションのモデレータのテクニックは、2012年に2本の記事としてまとめたことがあります。(パネルディスカッションを成功させるためにモデレータがしなければならないこと(準備編)、パネルディスカッションを成功させるためにモデレータがしなければならないこと(本番編))
ただ、SEや営業向けのヒアリング講習というのは当然ながら専門外です。一方で、モデレータのテクニックとしてはまだ書いていない、モデレータの対話術のようなものをここでまとめておくのもいい機会だと思い、挑戦する気持ちも半分込めてお受けすることにしました。
そんなわけで、これからご紹介するのはモデレータとしてのヒアリングテクニックを基に作成した「SEと営業のためのヒアリング講座」です。特に、ヒアリングも営業も習ったことがほとんど無いSEの方を想定して作られていますので基本的な内容を心がけました(講習は自由参加だったために実際には営業の方も多数受講されました)。
そしてこの講座は昨秋と今春の2回、実際にご依頼いただいた超大手SIerにおいてロールプレイなども交えて行い、ひとまずご好評をいただいたものです。その内容は読者の方の参考にもなるのではと思ったので、ここでその概要を共有したいと思います。
質問するのは難しい
質問するのって、難しいですよね。ビジネスの現場でも、知りたいことはたくさんあると思います。お客様の困っていることは何なのか知りたい、お客様の本当の要望が知りたい。競合はどれだけ食い込んでいるのか、案件の予算が実際にはどれくらいあるのか知りたい。などなど。でも、その知りたいことをそのまま聞けば、ちゃんと答えが返ってくるかというと、実際にはそうでない、ということは多くの方が経験していると思います。
お客様が何に困ってるか知りたい。だからといって「何に困ってますか?」と単純に質問をすれば知りたいことをぺらぺらしゃべってくれる、などという都合のいいお客様というのは現実にはまず存在しません。
ならば、答えてもらえそうな具体的な質問を矢継ぎ早に繰り出したらどうか。それで答えは引き出せるかもしれませんが、質問ばかりでは相手にうんざりされてしまいます。
質問しなければ答えは得られません。でも単純な質問では答えが得られない。どうすればいいのでしょうか。
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