- 会員限定
- 2014/10/06 掲載
「姥捨て山」の教訓でビジネスに活路を見出す:人を動かす極意
むかし話のネゴスターに学ぶ人を動かす極意
「姥捨て山」の意味するもの
「ある国の殿様が、年老いて働けなくなった者を不要として山に遺棄するようにというお触れを出す。ある家でもお触れに逆らえず泣く泣く老親を山に捨てようとするが、結局捨てることができず、密かに家の床下にかくまう。
しばらくの後、隣国からいくつかの難題が出され、解けなければ国を攻め滅ぼすと脅されるが、それらの難題を老親の知恵によって見事に解き、隣国を退散させる。老人には長い人生の中で培われた知恵があり、それが粗末にできぬものであることを知った殿様は、お触れを撤回し、老人を大切にするようになった」 というお話。
主人公である老親を「高齢者」、隣国を「ライバル社」もしくは「クライアント」とすれば見事、現代にも当てはまる。つまり、高齢者の知恵やノウハウをうまく活用できれば、ビジネスに活路が見いだせるのではというテーゼなのだ。
「そんなこと言われなくてもわかっている!」という声が聞こえてきそうだが、果たしてそうだろうか。たとえば定年後の制度として導入されている嘱託社員。通常業務の延長線上で働いてもらい、給与は3割減。権限や責任を与えずにあくまでもパートタイム従業員として所属している。この状態では隣国(ライバル社や競合相手)から攻め込まれても高齢者自身が知恵を出すことはできない。
本来の高齢者の活用は積み重ねた知識やノウハウをフル活動してもらい、現役では思いもよらない活躍をしてもらう、いわゆるスーパーバイザーとして働いてもらうことである。
そのためには、高齢者にスーパーバイザーとして働いてもらうための環境と地位を保障することが不可欠だろう。
では、どのようすれば地位が保障できるのか。答えは人気ドラマ「踊る大捜査線」で活躍する名わき役、いかりや長介さんが演じた和久平八郎(和久さん)の役割にある。
ドラマの中の和久さんは現役時代、湾岸署刑事課強行犯係で腕を馴らし、退職者再雇用制度により、湾岸署刑事課指導員として若手の指導をしていく。
この中で主人公の織田裕二が演じる青島刑事に対して「疲れるほど働くな、次がある」や「この仕事は憎み合いじゃない、助け合いなんだ」、「正しいことをしたかったら偉くなれ」など、含蓄のある言葉でメンタル面のサポートをする。
さらに、「現場に立ち、被疑者の気持ちになれば逃亡先が読める」と長年の経験者ならではのテクニカルサポートも行う。こうした和久さんのスーパーバイザーとしての役割が事件を解決に導いていくのである。
ポイントは和久さんが遊軍的な存在であることに他ならない。遊軍という地位であるからこそ現場が俯瞰でき、冷静な判断や老練された知恵を導き出すのである。
【次ページ】会社を救った、実在する「和久さん」
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR
今すぐビジネス+IT会員にご登録ください。
すべて無料!今日から使える、仕事に役立つ情報満載!
-
ここでしか見られない
2万本超のオリジナル記事・動画・資料が見放題!
-
完全無料
登録料・月額料なし、完全無料で使い放題!
-
トレンドを聞いて学ぶ
年間1000本超の厳選セミナーに参加し放題!
-
興味関心のみ厳選
トピック(タグ)をフォローして自動収集!
投稿したコメントを
削除しますか?
あなたの投稿コメント編集
通報
報告が完了しました
必要な会員情報が不足しています。
必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。
-
記事閲覧数の制限なし
-
[お気に入り]ボタンでの記事取り置き
-
タグフォロー
-
おすすめコンテンツの表示
詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!
「」さんのブロックを解除しますか?
ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。
ブロック
さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。
さんをブロックしますか?
ブロック
ブロックが完了しました
ブロック解除
ブロック解除が完了しました