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- 2014/04/02 掲載
グループウェアの未来像を議論、IBM・マイクロソフト・サイボウズの戦略とは?
対談:みずほ情報総研 吉川 日出行 氏×ノークリサーチ 岩上 由高 氏
簡易アプリ開発基盤からスマホ/セキュリティ対応へ
2014年3月に行われた「Noteマイグレーションセミナー2014」(SBクリエイティブ主催)では、吉川氏とIT専門の調査会社ノークリサーチでシニアアナリストを務める岩上 由高氏が「グループウェアの未来像」について、熱い議論を交した。
近年、ビジネスパーソンを取り巻く労働環境は急速に変化している。リモートオフィスや在宅勤務など多様なワークスタイルの実現を課題とする企業も多い。吉川氏は、「その状況下で企業は、保有する情報資産を、多様なデバイス/インフラ環境で利用できるように環境整備する必要がある」と指摘する。
もう1つ注目すべき変化は、「産消逆転現象」である。いつでも、どこからでもインターネットに接続できる環境が充実し、個人所有のデバイスは多様化した。従来は企業向けが先行していたITは、今や新しい技術/サービスが最初に提供されるのはコンシューマ市場という逆転現象が起きているのだ。BYOD(私的デバイスの業務利用)の増加はそれを端的に示す一例だろう。
実際、グループウェアを利用する端末にも変化が生じている。岩上氏によると、グループウェアを利用する端末は、スマートフォンが16%、タブレットが11%となっているという。
岩上氏は、「グループウェアのミッションが企業内の情報共有である以上、スマートデバイス対応は急務。業務システム全体において、高度なスマートデバイス機能を活用した動きは進んでいる。その中で、グルーブウエアの果たす役割を鳥瞰的に考えることが重要だ」と指摘した。
吉川氏も、「グループウェアに求められる機能はシフトしている」と語る。以前はメールやスケジュール管理のほか、文書管理/検索/ワークフロー管理/簡易アプリケーション開発基盤といった機能も要求されていた。しかし、現在は、マルチデバイス対応をはじめ、メール以外のコミュニケーション・ツール――チャットやSNS、ビデオ会議など――が不可欠になっているという。
こうした機能のシフトについて吉川氏は、「簡易アプリケーション開発やワークフロー管理を十分に実現しようとすると、グループウェアだけでは限界があり、別途専用システムが必要となることがほとんどだった。多くの企業がグループウェアを使い込む中で、『グループウェア1つで何でも実現する』ことには無理があると気が付いている」と指摘する。
【次ページ】マイクロソフト、サイボウズ、日本IBMの製品戦略
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