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- 2014/03/28 掲載
統計家 西内啓氏が語る データ分析の極意「仮説よりも問いを考えよ」
世界でもっとも「統計学で儲けた」のが日本
「その後1990年代初頭まで、日本の製造業は右肩上がりの成長が続きました。もちろん統計学だけの力だけでなく、国民全体の頑張りや、経済政策がうまくいったなど様々な要因はあります。しかし日本の製品がこれだけ世界を席巻したのは、高い品質と生産性があってこそでしょう」
この品質と生産性を高めるための考え方こそ、デミングが日本の製造業にもたらした知恵である。
「大枠の考え方としては、まず品質や生産性を測るための指標を定めてきちんと測定することです。たとえば、作った製品の数や不良品の数、それらの完成品だけでなく、パーツ単位でも測定します。そして、測定したデータから平均値と値のバラつきを集計し、その結果を皆で見ながら、バラつきの原因に対処していくというものです」
さらに西内氏は、企業が利益を生むための重要な要素の1つが品質であり、それを上げれば上げるほど利益も上がっていくというのがデミングの考え方のスタートだと続ける。
「品質を測るためのデータにバラつきが生まれた時、現場感覚のある人たちの間で話し合うことができれば、品質を上げるための具体的なアイデアが見えてきます。人のスキルが問題なら研修をしようとか、機械の能力がボトルネックなら投資をしようということ。こうした取り組みを徹底的にやり続けた結果、日本製品の品質と生産額は毎年上がり続けて、世界中で評価されることになったのです」
【次ページ】日本で実践でき、アメリカができなかったものとは?
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