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- 2013/12/25 掲載
「進撃の巨人」でも描かれるビジネス課題 なぜ計画が思い通りに進まないのか?
連載:名著×少年漫画から学ぶ組織論(1)
計画と現実、あるいは会議室と現場のはざまで
「計画が、計画通りに進まない。」今日の社会において、どんなビジネスに取り組む人であろうと、この課題に直面したことのないという人はいないだろう。
どうしてビジネスにおいて「計画」が必要なのか。それは、今日の社会ではありとあらゆる仕事が分業化されていて、ビジネスが「複数の人がともに力を出し合ってことにあたる」ということを前提としているからだ。「人と人が協力することではじめて、自分一人だけでは成し得ない大きな仕事が可能になる」ということは、太古の昔から活用されていた人類の知恵である。
人々は、事前に計画を立てて「○○日までにこれを完成させるので、そこからあとはよろしく」という約束を交わして、業務を推進していく。計画なしには組織は上手に動けない。計画とは組織にとっての羅針盤であり、関わる人が仕事を進める際の助けとなるはずのものだ。
しかし現実を見れば、私達はこの計画のおかげで助かっているというよりも、かえって苦しめられるという実感を持つことのほうが多いのではないだろうか。
事件は会議室ではなく、現場で起きている。現場にある人は、目の前の状況改善に全力を尽くすのが本分だ。計画はあくまでも「頭のなかで考えた計画」であって、物事が進んでいくにつれて徐々に現実とのズレが生まれ、広がっていくものだ。
計画はときに、「私の考えに遅れやズレは許されない」と、現実を計画に合わせるように強要する。その結果、様々な矛盾が生まれるわけだがその矛盾は多くの場合現場の担当者へのしわ寄せという形で業務に影響を及ぼすのである。
「組織がうまく機能していない」とき、果たして私達はどのような視点で何を考え、改善すればよいのだろうか。この課題に対する有効な対策はあるのだろうか?
【次ページ】進撃の巨人が描く「何の成果も得られなかった戦い」とは
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