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情報量が爆発的に増大している今、ビッグデータの活用はビジネスの鍵を握ると目されている。ヤフーでは、月間550億以上のアクセスを誇るYahoo! JAPANで蓄積されたビッグデータをどのように活用しているのだろうか。ヤフー 執行役員 チーフストラテジーオフィサー 事業戦略統括本部長 安宅 和人氏が、その取り組みと舞台裏について明かした。
生活に密着したYahoo! JAPANのデータ
巨大なポータルサイトYahoo! JAPANの運営で収集される文字通りのビッグデータを、ヤフーはどのように利用しているのだろうか。SoftBank Technology Forum 2013で行われた、安宅氏による基調講演「Yahoo! JAPANにおけるビッグデータの活用とその舞台裏」をレポートする。
安宅氏はYahoo! JAPANの特性について、「コミュニケーション、メディア、検索、コマース、娯楽や情報ツールまで非常に広範囲な利用場面に対して100以上のサービスを提供しているという点で、グローバルなネット市場においても特殊な立ち位置にあると思います」と述べ、GoogleやAmazonのように、検索や買い物に特化したデータが集まるサービスとの違いを強調する。
ビッグデータ活用において、生活のあらゆる場面に密着した行動履歴やパターンが収集できるということは、多くの可能性を含んでいることになる。実際、どれくらいのデータが集まるかというと、Yahoo! JAPANにアクセスするPCは、国内全体の8割に達し、スマートフォンでは7割以上となっている。月間PVは550億以上あり、1分あたりも120万PV以上に達する。検索回数は1日3億回だ。
「スマートフォンの位置情報から、1日にアクセスのあった場所をプロットすると、ほとんど日本地図の形になってしまうほどです」
ビッグデータ活用も「爆速」で
こうして集まる膨大なデータをヤフーでは、さまざまなサービスやビジネスに役立てる際、「入力」、「処理」、「出力」の3つの要素に分けて考えているという。入力とは情報を収集することであり、処理はそれを加工する技術だ。出力は加工したデータを活用することに相当する。
入力データにはヤフートピックス、ニューズ記事、天気情報、検索語、インタレストマッチ、オークションやショッピングの情報などに加え、利用者の位置情報、年齢・性別、検索履歴、行動履歴、購入履歴など多岐にわたる。
「これらのデータを加工して、たとえばリアルタイムで制御される検索語の入力補助、検索情報の自動最適化、Eコマースのレコメンデーションなどに活用しています。ヤフーは、広告やEコマースがビジネスモデルの基本となっていまして、これらの活用は以前から行われていますが、こうした取り組みはCTRなら約2倍、CVRで約5倍という効果を上げています」
他にも、ビッグデータを使って、オークションの不正利用を入札パターンなどで検出するという応用例や、ページ上のデザイン変更が売り上げにどれだけ影響がでるかを調べるライブテストなども紹介された。あるライブテストでは、検索語を入力する枠を6ピクセル広げただけで売り上げが0.64%向上したことを確認したという。なお、6ピクセルの違いは、画面を並べて比べてみてもわからないほどの微妙な違いだ。
安宅氏は、「リアルタイム検索語反映、行動履歴の反映、詳細なライブテストなどはどれも+1%の改善かもしれません。しかし、その1%は我々にとっては非常に大きい。それは、膨大なデータの利活用とWebならではの『爆速』によって可能になるものです」と、ビッグデータ活用にもヤフーの新しいスローガンの1つが貢献していることを強調した。
ビッグデータは組み合わせることで効果が高まる
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