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- 2013/10/22 掲載
アクセンチュアが社内にソーシャルを定着させた7箇条と2つの実践プラン
アクセンチュア 森 泰成 氏
自社の業務プロセスに“コラボレーション”を組み込む
「アクセンチュア テクノロジー ビジョン 2013」では、「コンピューティングパワーの急峻な増大、モバイル・リアルタイム・コンピューティングの浸透、さらに増え続けるデータ量と通信量によって、今後ありとあらゆるものが、すべてデジタル化される時代になる」と予測している。
さらに、アクセンチュアが「Seamless Collaboration」という言葉で言い表すように、ソーシャルネットワークの進展も重要なポイントの1つだ。
最近ではFacebookやTwitterなどを利用し、自分の名前で個人的な価値観を表明することも当然のようになってきた。情報共有に関しては、ソーシャルをベースにしたコンシューマーITのほうが企業ITよりも進んでいる状況だ。とはいえ、企業に所属するユーザーもソーシャルへの適応力は高まっており、「コンシューマーITの技術で企業の生産性や価値を向上できるはずです」(森氏)。
では、企業の中にこうしたソーシャルの文化を根付かせるにはどうしたらいいのだろうか。これまでNotesなどのコラボレーション・ツールを導入してきた企業では、その仕組みを提供しても、使い方に関してはユーザー任せのスタンスが強く、業務プロセスとツールが個別に存在し、その活用は限定的な範囲にとどまっていた。しかし森氏は、これでは効果は限定的と指摘する。
「業務プロセスの中にソーシャルをきっちり埋め込むことが大切。たとえば受注アプリケーションなどの業務フローの中でコメントを共有したり、インスタントメッセージング機能でアイデアの自律的な交換を促します。品質の良い仕事をスムーズにこなせるようになり、業務能力が改善されたり、顧客や取引先に関する知識や対応法も共有できるようになります。社内ソーシャルに蓄積されたデータをフィードバックすれば、商品開発に活かせます。」(森氏)
さらにソーシャルを埋め込んだ上で、その効果も測れるようにしておくことがポイントだ。森氏は「たとえばテクニカルサポートでビデオチャットを導入したとします。その際にトラブルチケットのクローズド率(解決率)を調べると、エスカレーションの度合い(どの段階でトラブルが解決したか)によって効果を測定できます。ROIや改善のヒントも得られ、業務や従業員の生産性に関する事態の把握も行えるようになります。」と説明する。
このような局面を企業の業務プロセスの中に見つけて、さらにそれをコラボレーション・ツールなどにうまくはめ込んでいけば、情報をいっそう活用できるようになるわけだ。
ただし、この取り組みについては短期的な視点と中・長期的な視点でゴールを見なければならないと森氏は指摘する。
「短期的には、ユーザーセントリックで現場の利便性が向上することを予感させてくれることが大事です。中・長期的にはワークフォース自体の生産性向上、あるいは現場や顧客の生の声を知り、経営やサービス、製品に役立てられるように反映することです。」(森氏)
【次ページ】ソーシャルは企業の形を変える
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