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- 2013/05/20 掲載
広島県CIO桑原義幸氏に聞くCIOの役割、「価格の妥当性」以上に「効果の妥当性」を追求
ノークリサーチ連載:中堅・中小企業市場の解体新書
おしい!広島県、このおかしなキャッチコピーが目指したものは?
『おしい!広島県』。既にご存じの方もいるかもしれないが、広島県は全国的に見ても一番の商品やサービスが数多くあるのに、なぜか認知度がいまいちなことが多い。まさに、“おしい!”のである。これを解消するため、メインキャラクターに、地元出身タレントの有吉弘行氏を起用した観光プロモーションが『おしい!広島県』で、平成24年3月27日にスタートしている。このプロモーションは、IT(Web、SNSなど)を中心とした情報発信を行い、広島県の認知度向上、観光客の確保、ひいては、産業振興を目指すものである。現在、『おしい!広島県』は、2年目を迎えており、『おいしい広島県』として効果を得られる時期を迎えようとしている。狙いとしては、いわゆるWeb上の“ネタ”として取り上げてもらうことだが、当の広島県は極めて真面目に取り組んでいる。はやりの「ゆるキャラ」とは違う展開だ。昨年は特に話題だったNHKの平清盛との相乗効果もあったので、2013年が実質的な効果が試される時期といえる。
広島県
広島県は、人口286万750人(平成22年:国勢調査-総務省)の中国地方最大の県である。政令指定都市である広島市を筆頭に、14市、9町で構成される。平成22年度の県内総生産は、10兆8080億円で(全国は480兆980億円)、一人当たりの県民所得は、285万円と全国平均の275万2千円(平成22年度広島県県民経済計算結果:広島県総務局統計課分析グループ)を上回っている。戦時に重工業の拠点が置かれた名残で、造船、自動車、鉄鋼などの製造業が盛んで、今では半導体製造などのIT関連企業も多くなっている。製造業の総売上は、8兆6220億円で全国11位である。また、100円ショップのダイソー、洋服の青山などの本社も広島県にあるなど、卸小売業も盛んであり総売上は、10兆6865億円と全国10位(平成24年2月:平成24年経済サンセス-活動調査)である。また、安芸の宮島、原爆ドームと2箇所のユネスコ世界遺産を有し、平成23年には、国内外より5532万人(広島県統計より)の観光客が広島県を訪れている。現在の知事は湯崎 英彦氏で平成21年から現職。
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広島県CIO、具体的にはどんな仕事をしているのか?
桑原氏は広島県CIOに2011年4月に着任し現在3年目となる。同氏は民間のコンサルティング会社の代表者でもあり、他にも会計検査院や福岡市、札幌市などの公的な機関のサポートも同時にこなす、この道のエキスパートである。広島県としては桑原氏の前にも民間のCIOを招へいしており、桑原氏が2代目となっている。
そんな広島県のCIOの仕事はなんだろうか?
地方自治体のトップがITをいかに把握しているか、適正なシステムを導入しているか、適正な価格で導入しているか、適正な業者から導入しているか、これらの基本を見極めたうえで、地域行政のサービスに貢献できるか、地域住民、企業に明確なIT導入履歴を示し、その効果を理解させることにある。
また「今まで県のそれぞれの部署、部門で決裁して導入していたITそのものを、一元的に管理、決裁することによって、適正なITの導入、効果的な導入をはかることだ。そしてそれらは概ねできている。」(桑原氏)という。
広島県CIOは特に異色の存在というわけではないらしい。今は政府CIOの遠藤氏をはじめ、全国の自治体でも民間からCIOあるいはCIO補佐官を招へいして県の情報化行政を最適な形で運営することを目指して進行している形態が増えている。
「まだ多くは中央官僚式であり、副知事あるいは局長クラスの幹部がCIOを兼務し、CIO補佐官を民間から招へいというケースが多い。自治体ごとで考え方が違うが、本県のようにCIOを民間から招へいしている自治体は、まだまだ少ないと感じる。」(桑原氏)
実は桑原氏は都道府県のCIOの任意団体である都道府県CIOフォーラムの会長職にこの4月から就いており、都道府県のCIO活動の積極的なリーダー格にもなっている。
都道府県CIOフォーラム
「都道府県CIOフォーラム」とは、各都道府県及び関係団体の情報化統括責任者(CIO)または情報化推進担当責任者をもって構成する任意団体。主催は日経BP社である。都道府県CIOフォーラムとは、各都道府県及び関係団体の情報化統括責任者(CIO)または情報化推進担当責任者(役職等は問わない)をもって構成する任意団体(会長:広島県 CIO 桑原 義幸氏)。都道府県における情報化推進の責任者が、相互に密接な連携と協力を深めることにより情報の共有を図り、また、民間IT企業も含めての意見交換等を通じて、住民本位の電子自治体の構築や情報通信技術(IT)を活用した地域の活性化等、都道府県が抱える諸課題について、各都道府県のIT施策の推進に寄与することを目的として、2003年8月26日に設立された。全米州政府CIO会議(NASCIO)の会議運営を参考に、官民の垣根を取り払っての活発な議論を展開している。(参考:日経BP社)
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