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チェックポイント(4)
消費電力、電力管理機能比較
最近のビジネスシーンにおいて、「節電」は非常に大きなテーマとなっている。限られた電力をムダに使いすぎないことは、企業の社会的責任において重要だ。加えてコスト削減の観点からも、特に電気料金の大幅な値上げを控えた今後、見逃せないポイントとなるだろう。PCの省電力性能が、CSRとコスト面に大きく影響してくるのだ。
消費電力
省電力性能を判断する上では、PCの通常稼働時の消費電力がどの程度になるのかを把握しておくことがまず重要だ。特にアイドル時の消費電力は気になるポイントだ。実際のPCの使用において、マシンパワーをフルに使う機会は意外と少ない。ほとんどの時間は、PCを前にして、人間が画面を見たり手元の資料を見ながらものを考えたり、入力を行っている時間のほうが圧倒的に長いのだ。その間PCは、CPUなどの主要部品を休めて待機(アイドル)しているのである。
今回のテストでは、実際にサンワサプライ製ワットチェッカー「TAP-TST7」を利用して、各機種の消費電力を比較した。高負荷時は「PCMark05」でベンチマークを行ったときのピーク時の消費電力の数値を表示している。
消費電力の比較表 |
機種名 | Vostro 360 | Mate タイプMG | HP Compaq 8200 | ESPRIMO K552/D | ThinkCentre Edge 91z |
高負荷時 | 79W | 65W | 84W | 74W | 74W |
アイドル時 | 41W | 39W | 44W | 39W | 35W |
採点 | 8 | 10 | 7 | 8 | 9 |
消費電力については、NECの「Mate タイプMG」が高負荷時に最も優秀な数値を残した。これはモバイル向けCPUであるCore i5-2430Mを利用しているほか、液晶ディスプレイが他製品と比べると19.1インチと小さいことが奏功している。「ThinkCentre Edge 91z」も液晶が21.5インチなので同様だ。基本的に液晶サイズが大きい製品ほど、通常の駆動にはどうしても電力が多く必要となる。
またベンチマークの数値が高い製品は、その分、消費電力も高めになりがちだ。比較においては液晶サイズ、パフォーマンスも考慮に入れる必要があるので、あえて点数化はしたが、単純な数値だけで優劣はつけにくい部分がある。高性能と省電力性のバランスを高いレベルでとるには、次に示す省電力ツールによる細かな管理・運用が行えることのほうが重要と言える。
電力管理機能
PCの消費電力をより低く抑えるためには、手間をかけずにいかに細かな電源管理が行えるかが重要になる。いくらアイドル時の消費電力が低いからといっても、ディスプレイの電源をつけっぱなしで何時間も離席してしまったら意味がない。PCを使っていないときにこまめにディスプレイの電源を落としたり、CPUの動作モードや、HDDをストップさせるなどしたほうが、はるかに消費電力への影響は大きい。このような細かな電源管理をいちいち人間の手で行うのは、とても面倒だ。そのため、電源管理ツールが重要となってくる。
そこで今回は、各PCに搭載されている省電力ツールの機能比較を行っている。Windows 7には標準で「電源プラン」として「高パフォーマンス」「バランス」「省電力」といったプランが用意されており、それぞれにCPUの動作モードや液晶の明るさ、スタンバイ/休止状態への移行時間を設定できる。この標準機能を5点とし、独自の機能を持つ製品について加点を行っている。その結果は以下の通りだ。
■Vostro 360 5点
電源管理ソフトは特に付属しておらず、Windows標準の電源プランを利用する。
■Mate タイプMG 10点
管理ソフトとして「ECOモード設定ツール」が用意されている。また「消費電力の表示」ツールが付属しており、グラフで消費電力状態を確認することが可能。消費電力の履歴を見たり、期間内の推定消費電力を確認できる。また「離席センサ」を搭載しており、利用者の不在を感知してディスプレイを消灯したり、PCをスリープ状態にすることも可能。またPC使用時にディスプレイの電源のみを切る機能も搭載されている。
■HP Compaq 8200 9点
電力管理ソフトとして「HP Power Assistant」を搭載。電源プランをスケジューリングのほか、推定消費電力の確認、消費電力の履歴表示など、非常に細かい電力管理が行える。電源プランのスケジューリングでは、1週間の電源設定のスケジュールを簡単に設定できるなど、きめ細かな管理が行える。
■ESPRIMO K552/D 7点
電力管理ソフトとして「省電力ユーティリティ」が用意されているが、基本的にWindowsの電源プランを手軽に切り替える程度の簡単なものとなっている。ソフトウェアによりディスプレイだけ独立して電源をオフにする機能が装備されている。
■ThinkCentre Edge 91z 6点
電力管理ソフトとして「省電力マネージャー」を搭載しているが、これはOSの電源プランを手軽に切り替える程度の簡単なものにとどまっている。
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