- 2011/11/07 掲載
クラウド・ビッグデータ時代に備えるために必要なことは何か?レガシーシステムの活用を考える
【セミナーレポート】これからのSIerはクラウドとビッグデータをいかに活用していくか
これからのSIerは、クラウドとビッグデータをいかに活用していくか
東京システムハウス 代表取締役社長 林知之氏は、冒頭の挨拶の中で、現在、企業を取り巻く社会的・経済的変化、および技術革新によって、システム構築のスタイルやソリューションが変わってきており、システムやサービスの提供者もそれに合わせる必要があると述べた。
同社はSIerとして、企業システムの構築やパッケージソリューションを手掛けるだけでなく、メインフレームからオープンシステム、オープンレガシーシステムのマイグレーションにも実績があるそうだ。クラウドイノベーションおよびビッグデータの時代においては、今後急速に増える膨大なデータと、経営資産として残るレガシーアプリケーションをいかに処理していくかが重要になると考えているという。
このセミナーでは、同社やパートナー企業がこの問題にどう取り組んで、どのようなソリューションやサービスを提供しているかを見てほしいと述べた。
KDDIが進めるモバイル戦略は日本市場に最適化
中島氏はまず、携帯電話に代表されれる日本のモバイルネットワークの状況について、音声やテキストのみのサービスから、写真、動画などのリッチなコンテンツへのシフトが見られ、それが放送との連携への動きにもつながっていると指摘。
さらに通信回線や技術もADSLからFTTHへのシフトが進み、伝送技術も3G、LTE(3.9G)、4Gと進化し、増大するトラフィックに対応すべく、帯域幅も数百kbps、数十Mbpsといったサービスから100Mbpsへと向けて開発が続いているとした。端末についてもスマートフォンのようなオープンアーキテクチャの広がりといった、市場構造の変化を述べた。
このような状況における課題として、中島氏が挙げるのはやはりトラフィックだ。現状で3千数百万台あるといわれるau携帯のうち、スマートフォンは上期時点で191万台であり1割に満たない。それでもトラフィックの増え方が急激なため、LTEだけでなく、Wi-FiやWiMAXなどへのオフロードが必要となっている。この問題は、あらゆるビジネスになんらかの影響を与えるだろうとした。
また、モバイル戦略の別の側面として、放送との連携を挙げた。その例として中島氏が挙げたのが、ホーム端末としてのスマートフォンやAndroid端末に加えて、Androidを搭載したSTB(セットトップボックス)の開発などだ。背景には、テレビを家の中のインテリジェントな制御ハブとすることで、通信、放送を統合的に管理し、ひいてはHEMS(Home Energy Management System)やスマートグリッドへの展開へ広げる考えだという。
このようにモバイル端末をマルチネットワーク、マルチデバイス、マルチユースに対応させることで、クラウド時代のビジネス、およびライフスタイルに合わせていく。これをKDDIではマルチクラウドと呼んでいるが、KDDI研究所では、マルチクラウドが生み出すトラフィックと膨大なデータに対応する技術開発に、引き続き取り組んでいくとした。
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