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- 2011/06/10 掲載
ソーシャルCRMとは何か、GoogleからFacebookへと変化する消費者との関係構築
ソーシャルメディア活用論
GooglezonからFacebookへ、消費者関係の変化
冒頭、亀津氏が指摘したのが、“Twitterブーム”から“Facebookブーム”へのシフトだ。Twitterはグローバルでは1億人以上の利用者を獲得し、日本でも1000万人が利用し、その利用頻度も高いのが特徴だ。それに対してFacebookは今やグローバルで6億人以上が利用するに至り、急速にその存在感を増している。ただ、日本人利用者は311万人程度で「まだ未成熟」な状況にある。亀津氏はFacebookの特徴に企業参入がはじまっている点を挙げ、その背景について企業と消費者フロントの変化があると指摘する。
かつて2005年ごろはGooglezon(GoogleとAmazon)と言われる“Web2.0”系の企業が、消費者に製品やサービスを提供する企業(イネーブラー型企業)に広告を介した送客を行うビジネスが主流だった。こうしたフロント型企業は、検索やアプリケーションなどの機能を提供しつつ、閲覧パターンなどの行動履歴によって精度の高い広告表示を行っていた。
しかし、現在は消費者のWebに対するフロント部分にソーシャルメディアが浸透してきている。つまり、従来のフロント型企業を介したEnabler型企業の広告やレコメンデーションだけでなく、ソーシャルメディア上の友人のレコメンドや「いいね!」などのレピュテーションの影響力が増してきているのである。このソーシャルメディアへのパワーシフトは、たとえば、clickerという米国のTVガイドのサイトで、番組のレコメンドにFacebookの友人のコメントや「いいね!」を反映させている例に見ることができるという。
こうした変化に合わせて、2011年2月にはいよいよGoogleも検索結果に利用者のソーシャルメディア上の友人の行動を反映する機能を追加。亀津氏はこの動きは非常に重要な方向の転換だと指摘する。というのも、従来Googleは検索アルゴリズムに特定の主義や価値観を導入しないポリシーをとっており、同機能の追加は主観的な個人の意見によって結果を操作することになるからだ。
【次ページ】TwitterとFacebookの違いを見極めて、顧客との関係構築に活用する
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