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- 2011/04/26 掲載
ITが切り開く地方経済(北海道編):“グルメ輸出大国”が売上アップを実現するWeb戦略
オール北海道で支援するIT経営
これまで取り上げた県の位置
佐々木身智子
合同会社アイ・ディ・エル 代表執行社員
ITC札幌有限責任事業組合 副会長
ITコーディネータ
1959年生まれ、埼玉県出身。現在は、北海道札幌市在住。NECソフト、インフォネットを経て、2007年合同会社アイ・ディ・エル設立。2001年ITコーディネータ(経済産業省推奨資格)取得。専門は、情報化戦略、Web戦略。中小企業のIT経営推進のため、北海道各地での講演活動のほか、毎年20社以上のIT化支援を行っている。知とノウハウの地産地消を目指し、地域の各種専門家との連携を積極的に推進中である。
日本の「食」をけん引する北海道
まずは北海道の概要について簡単にご紹介しておこう。北海道は東経139度20分~148度53分、北緯41度21分~45度33分に位置し、8万3457平方キロメートルで日本の総面積の22%を占め(出典:平成19年「全国都道府県市区町村別面積調」)、人口は、5521千人である(出典:平成22年総務省住民基本台帳)。道内総生産は18兆4,584億円(19年度内閣府県民経済計算)で全国の3.5%を占める。中小企業の数は、16万6252社で全国の4%を占める。北海道では相変わらず厳しい経済状況が続いている。人口は2040年には約414万人(道経連予測)と現在(約552万人)の75%に減少すると言われており、低い有効求人倍率と高い失業率にあえいでいる。頼みの綱の公共事業はピーク時の1/2以下になっており、建設、土木等業種は他業種への転換に迫られているのが実情だ。
そのような中でも、北海道の強みはなんと言っても「食」だ。食糧自給率200%を誇る北海道は、農業、漁業ともに全国1位、食品工業でも2位という生産額(出荷額ベース)を維持している。こうした日本の「食」を牽引する北海道ブランドを道外、あるいは海外へ知らしめ、高付加価値事業に育てるためのプロジェクトが2010年の5月よりスタートした。それが「食クラスター連携協議体」だ。本協議体は、食や幅広い関連産業、大学・試験研究機関、支援機関、行政機関など925社・団体・個人で構成されており(2011年2月末現在)、その事業(プロジェクト)の柱は下記の4点になる。
- 高付加価値化(技術開発、新事業、生産性向上等)に向けた取組
- マーケティング・販路拡大の取組
- 道内外からの投資促進(企業誘致など)に向けた取組
- 普及促進のための取組
【次ページ】オール北海道としてのIT経営への取り組み
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