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- 2010/11/11 掲載
トーマツ丸山満彦氏:日本企業が実践すべき、真に効果的・効率的なGRCへの取り組み
セキュリティ&リスクマネジメントの最適解
「リスクインテリジェントな企業」を目指せ
丸山氏は冒頭、日本企業の置かれている状況とこれから訪れる変化について言及。日本の経済成長率の推移や諸外国とのGDP比較などのデータを提示しながら、今後は人口減少により国内マーケットが縮小していくこと、中国をはじめとした新興国企業との競争激化などグローバリゼーションがますます進んでいくことを説明した。
こうした中で今後、日本企業がグローバルな競争を勝ち抜き、成長していくために必須の条件となるのが「リスクインテリジェンス」だという。リスクインテリジェンスとは、「賢くリスクをとる」という考え方。丸山氏は「従来のように損失を防ぐためのリスクマネジメントだけではなく、新たな企業価値を創造するために賢くリスクテイクできる、『リスクインテリジェントな企業』を目指すべき」と強調し、次のように続けた。
「現在のビジネス環境では、リスクのないところにビジネスチャンスはありません。たとえば、M&Aや新商品開発には常に失敗のリスクが伴いますが、そのリスクをとらなければ将来の収益機会は減少します。『リスクをとらないリスク』というのもあり得るのです」
そのうえで、リスクインテリジェントな企業になるために、以下の9つの原則を挙げた。
- リスクは脅威か、チャンスか?
- フレームワークを持っているか?
- リスクマネジメントは全員参加型か?
- リスクを語る共通の言葉があるか?
- 取締役は自社のリスクを知っているか?
- 経営者が率先しているか?
- リスクのオーナーは決まっているか?
- サポートチームはあるか?
- リスクの監視に手抜かりはないか?
【次ページ】ITによるGRC活用が遅れる日本
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