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- 2010/06/30 掲載
プロジェクトマネジメントとは何か:PMBOKと実例で学ぶプロジェクトマネジメント(1)
監修:東京農工大学 教授 中川正樹氏、編著:三菱総合研究所 飯尾 淳氏
プロジェクトの持つ3つの側面
本連載はソフトバンク クリエイティブ発刊の『演習と実例で学ぶ プロジェクトマネジメント入門』より一部を抜粋し、再編集したものです。本連載ではご紹介しない練習問題などについては書籍をご覧ください。
プロジェクトが備える3つの特性のうちの最初の1つは、「有期性」です。有期性とは、期間があること、すなわち開始と終了が明確に決まっていることをいいます。プロジェクトには必ず始まりと終わりがあります。終わらないプロジェクトはありません。いつまでも続く業務(定常業務)は、プロジェクトではありません。
簡単な例で表現すれば、大量生産する工場を建設する作業はプロジェクトですが、その後に実施される工場の運営はプロジェクトではありません。
2.独自のプロダクト
次は「独自のプロダクト、サービス、所産(注1)」です。プロジェクトの成果は独自性を持っていなければなりません。工場で製品を大量生産する業務と異なり、プロジェクトでは独自のなにかが生み出されます。その「なにか」を、プロジェクトの成果物と呼びます。
先の工場建設を例にあげれば、工場建設プロジェクトの成果はその工場そのものです。
3.段階的詳細化
3つめは「段階的詳細化」です。プロジェクトの一般的な進行手順では、最初は大枠を掴むレベルに留めておき、目標や成果物に対する理解が深まるにつれて、より明確かつ詳細な定義を行っていきます。プロジェクトが始まった時点では、プロジェクトの全貌は描かれません。プロジェクトが進むにつれてゴールへの道筋が明確にされていき、作業手順や成果物の詳細が決められます。これを段階的詳細化と呼び、プロジェクトの大きな特徴となっています。
【次ページ】プロジェクトと定常業務の違い
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