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IDC Japanは12日、国内クラウドサービス市場予測を発表した。パブリッククラウド範囲における2009年の国内クラウドサービス市場規模は312億円。同市場は急速な拡大を続け、2009年~2014年の年間平均成長率35.6%、2014年の市場規模は2009年比4.6倍の1,432億円になると予測している。
IT専門調査会社のインターナショナルデーターコーポレイションジャパン(IDC Japan)は、国内クラウドサービス市場予測を発表した。
同社の予測によると、2009年の国内クラウドサービス市場規模は312億円とまだ小規模だが、本格的な成長期を迎えてるという。リーマンショックを契機とした経済の低迷によって、ニューノーマルと表現される先行きが不透明な状態が常態化する時代が到来しており、企業のIT戦略は、冗長性や信頼性を重要視した固定的なIT投資から、過剰投資を回避し、迅速な対応力を求める内容に変わりつつあると分析。クラウドは、企業の新しいIT戦略と合致し、さらなる発展が見込まれるとした。国内クラウドサービス市場は、市場規模の拡大に伴って2012年以降の前年比成長率は緩やかに低下するが、2009年~2014年の年間平均成長率35.6%、2014年の市場規模は2009年比4.6倍の1,432億円になると予測している。
また、国内クラウドサービス市場では、すでに事業者間の競争が激化しており、クラウドサービスは、ホスティングなどの既存事業からの発展と、新規事業としてのサービス提供が混在していると指摘。一般的に、事業者の市場競争力強化には、「優位性の拡大」「弱点の克服」「新たな価値の提供」があり、クラウドサービス事業者にとって、自らの企業特性を活かした事業戦略の迅速な遂行が重要となっていると分析した。
同社のITサービスリサーチマネージャー 松本 聡氏は、「クラウドサービス事業者にとって、迅速なサービス提供が重要であった時期は早くも過ぎ去り、差別化が大きな課題となっている。また、企業のIT戦略は変化しており、『良いもの』ではなく『必要なもの』を選択する傾向が強まっていることに事業者は留意する必要がある。事業者は、利用量に応じた従量課金制だけではなく、細分化した豊富な機能を柔軟に選択利用できるサービスモデルを導入し、ユーザー企業にとって過不足のないサービスの提供が重要である」と述べている。
今回の発表は、同社が発行したレポート「国内クラウドサービス市場2009年の実績と2010年~2014年の予測」(J10370102)にその詳細が報告されている。本レポートでは、国内クラウドサービス市場の概況や動向を分析し、セグメント別に2009年の実績と2010年~2014年の市場規模予測をまとめているという。
なお、本レポートでは、一般的にパブリッククラウドと認識される「共有プール化されたコンピューターリソースを複数のユーザーに対し、インターネットを介してオンデマンドで提供するサービス」に焦点を当て、市場予測を行っている。また、BPOサービスや、クラウドサービスに付随して提供される導入支援、システム/アプリケーション開発などのプロフェッショナルサービスは市場規模から除外している。
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