- 2010/03/09 掲載
「セキュリティアプライアンスも仮想化が必要」チェックポイントが2010年度の事業計画とUSBメモリ型デスクトップ仮想化新製品を発表
好調の背景について杉山氏はノキアとの事業統合が順調な点を指摘。旧ノキアブランドのアプライアンスのサポートを従来と同じ体系で継続的に続けることで、「理想的な統合マイグレーションが進んだ」とし、その結果、「ハイエンドのセキュリティアプライアンス市場で実質標準になった」と語った。
売り上げ構成別でも、現在セキュリティベンダーの多くがサブスクリプションによるサポートの利益が主体となる中、プロダクト販売を5割にまで押し上げたという。同社プロダクトを導入した企業は、今後もサブスクリプションを継続していくため、チェックポイントの収益基盤の安定につながる。
今後は、ハイエンド向けにはアプライアンス販売を主体としつつも、ミドルレンジやSMB向けには「仮想化されたISP/MSP(インターネット・サービス・プロバイダ/マネジメント・サービス・プロバイダ)サービスの利用が広がる」として、ISP/MSP向けのセキュリティ事業を強化していく意向を示した。その際に重要になるのが「仮想化」だという。
杉山氏は、大規模な環境で仮想サーバを数多く運用する際に、「セキュリティの機器も集約化が求められる」と指摘。1つのボックスで仮想的に数百台のファイアウォール環境を構築できるチェックポイント製品の優位性を強調した。さらに、チェックポイント製品であれば、DLPやIDS、IPS、EndPointなどの各種セキュリティ機能は同じソースコードのため、1つの管理コンソールで実現できる点もISP/MSPの運用負荷軽減に役立つとした。
チェックポイントの日本での展開については、人員を1.5倍に拡大。パートナ数を強化するとともに、アプライアンスとISP向けサービスの提供により、市場のカバレッジ領域を広げたい意向を明らかにした。従来より実施しているチェックポイントが直接サポートを行うダイレクトサポートサービスも拡大していくという。
また同日、USBメモリ型でセキュアなデスクトップ環境を実現する「Check Point Abra(チェック・ポイント・アブラ)」の発売を発表。
同製品は、暗号化されたUSBストレージで、中のプログラムファイルを起動することで、仮想デスクトップ環境が起動する。起動時にはウイルスチェックやキーロガーをチェック後、IDとパスワードを入力することで利用が可能になる。初回の起動時に社内のSmartCenter(設置必須のサーバ)へのネットワーク認証が必要だが、その後はオフラインでも利用できるという。
仮想デスクトップ環境の起動後は、暗号化されたUSBメモリ内のストレージ領域を操作したり、VPNで会社のデータにアクセスすることが可能になる。ローカル環境にあるデータのインポートやエクスポートも可能だが、それをすべて禁止にすることもできる。Webサイトへのアクセス先についても接続を制限できる。こうしたポリシーの変更などはネットワーク越しで管理者側が制御できるという。
Abraの最大の特徴は、もともとPCに入っているアプリケーションを利用すること。たとえばWordの入っていない環境ではWordファイルを開くことはできない。その分、「OSの追加ライセンスもアプリケーションの追加ライセンスもかからず、既存のIT資産を生かせるのは画期的」(杉山氏)として、投資コストを押さえつつセキュアな社外PCの持ち出しを実現できる。
価格は4GBが2万2,000円、8GBが3万2,000円で「買い切り」形態。社内サーバであるSmartCenterの設置は必須だが、アクセス費用は特に必要ない。ただし、これは「あくまでも一般ユーザー向けの価格(杉山氏)」とし、今後パートナーがISPモデルなどで提供する場合の価格体系は別になる可能性も示唆した。2010年3月末より販売を開始する。
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