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- 2010/02/16 掲載
サーバ仮想化からデスクトップ仮想化へ、本格普及期に入るシンクライアントの最新動向
Wyse Technology社 マーケティングおよび戦略最高責任者 ジェフ マクノート氏
2013年、全PCの15%以上はシンクライアントに置き換わる
現在、日本ではサーバの仮想化に注目が集まっているようですが、米国では既に次のフェーズ、つまりデスクトップの仮想化に注目が移っています。ガートナーの試算によれば、2009~2013年にかけて、ワールドワイドのシンクライアント市場は年率20~30%のペースで伸び、2013年には全PCの15%以上がシンクライアントに置き換わるとされています。
──それだけ急激に市場が伸びると予想される要因は何だとお考えですか?
ここ数年でシンクライアントが持っていた各種の課題が克服されてきたのが大きいと思います。具体的には2つあります。1つは利用できるアプリケーションの操作性が改善されたこと。もう1つは、周辺機器やマルチメディアなど、ユーザーエクスペリエンスが改善されたことです。ほかにも、セキュリティ、グリーンIT、コスト削減など、従来から指摘されているシンクライアントのメリットもあります。
特にここ2年間ほど、我々はシトリックス社やヴイエムウェア社と協業し、Wyse TCX(Thin Client Extension)の開発を続けてきました。Wyse TCXは、Citrix Presentation Server、Microsoft Terminal Services 、VMware Virtual Desktop Infrastructure (VDI)の環境下で動作するソフトウェアで、シンクライアントでマルチディスプレイ、USBなどの周辺機器の利用、マルチメディア、ビデオ、VoIPによる双方向の音声コミュニケーションを実現できます。「クラウド」「ストリーミング」「仮想化」は、今のシンクライアントを語るうえで、重要なキーワードです。
──小型で省電力型のCPUなど、ハードウェアの進歩も寄与したのでしょうか。
それも大きい要因です。たとえば、日本でもこれからリリース予定のWyse C10 LEというシンクライアント端末は、1GHzのCPUを搭載し、それとは別にマルチメディア専用のハードウェアチップも搭載しています。さらに、ギガビットのイーサネットポート、USB2.0×4ポート、無線LANは802.11 b/g/nに対応と、3年前とは比較にならないスペックで、シンクライアントの持つイメージを大きく変えてくれると思っています。
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