0
会員になると、いいね!でマイページに保存できます。
第1回では、「ベンチマーキングは、中小企業の経営を競争力のあるものにする経営改革のための経営変革概念である」と解説した。ベンチマーキングの目的は、一言で言うと、競争に勝ち残るために、現在の業務プロセスを抜本的に変革することである(プロセス・ベンチマーキングの目的:図表参照)。今回は、ベンチマーキングを理解することに焦点を当てたい。
第1回では、「ベンチマーキングは、中小企業の経営を競争力のあるものにする経営改革のための経営変革概念である」と解説した。ベンチマーキングの目的は、一言で言うと、競争に勝ち残るために、現在の業務プロセスを抜本的に変革することである(プロセス・ベンチマーキングの目的:図表参照)。企業は、強み弱みを把握し競争力を上げるために、経営戦略をたてるが、ややもすると目の前の改善策に留まってしまう。その理由として考えられるのは、企業の改革担当者が、日々の業務である経営戦略実行の方法論には精通しているが、改革のための戦略の目標値である「ベストプラクティス」に対する理解が不足していることである。そこで本稿では、ベストプラクティスを理解することに焦点を当てたい。言い換えれば、トップの経営者はもちろん、管理職や、マーケティング、商品開発、製造、営業、サービスなど現場の仕事に携わる人にも、「ベストプラクティスとは何か」ということが理解できるようになってもらうことを目標にしている。
経営者は、意識改革が必要!
環境が変化する中で、企業は競争相手と差別化するために、知恵を絞って経営改革や業務改革を実行しなければならない。そのためには、経営者はもちろんのこと、全社員が知恵を絞って抜本的なアイデアや打開策を考える必要がある。彼らに質問をすれば、ほとんどの中小企業が、「一生懸命やっている(これ以上何をしろというのか?)」と答えるか、心に思っているかも知れない。
実は、より効果的な解決策を見いだすためには、組織内部の知恵だけではなく、外部の知識や知恵を借りると効果が飛躍的に上がる。特に中小企業は、ヒト・モノ・カネ・情報・知の経営資源が少なく、ベストを狙うことを、始めからあきらめていることが多い。つまり、自組織だけで考えたものがベストと思うのではなく、もっと良い方法があるのではないかと、外部のどこからでも、あらゆる手段を使って貪欲に追求すべきである。その思考が、継続的な成長を促す源泉になる。
ベンチマーキングは、このような意味で、中小企業の改革にもってこいの経営変革手法である。
関連タグ