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- 2009/09/14 掲載
デジタルコンテンツはすべて無料に--クリス・アンダーソン『Free』を読む1【○○はビジネスになるか(1)】
ロングテールの著者が新時代を提言
クリス・アンダーソン氏は、米『ワイアード』誌の編集長で、2006年に出版した著書『ロングテール“売れない商品”を宝の山に変える新戦略』(邦訳、早川書房刊)で一躍有名になった。さまざまな販売の現場のデータと実例を集め、インターネット時代の新しいマーケティングの変化を分析し、これに基づく「ロングテール理論」を提唱した。
ロングテール理論とは、一言で言うと「ITの進歩によって、ニッチ商品の管理・宣伝コストが限りなくゼロに近づき、ヒット商品に劣らない利益を生むようになる」というものだ。たとえば、米国の平均的な大型書店は約10万タイトルの本を置いているが、アマゾンの販売部数の4分の1超が上位10万タイトルよりも下位の本で占められているという。店頭に置いてもほとんど売れないニッチ商品が“ちりも積もれば”式に大きな売上をもたらすというのだ。
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この理論は、広くビジネス界に衝撃を与えた。インターネットがモノの売れ方に大きな変化をもたらしたことは皆分かってはいたが、理論づけしたのは同氏の功績と言っていいだろう。
そのアンダーソン氏の「Free: The Future of a Radical Price(Free:過激な価格の未来)」(以下、書籍は『Free』と表記する)は『ロングテール』以来3年ぶりの新著で、インターネットから発した“無料の経済”について論じている。
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