- 2009/08/28 掲載
「乱立する仮想化製品を適材適所で」ノベル新社長徳永信二氏、仮想化移行ツール最新版も発表
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徳永氏は、現在日本のノベルでは大きく3つのターゲットを設定していると説明。1つめはデータセンター分野、2つめはエンドユーザーコンピューティング分野、3つめはアイデンティティおよびセキュリティ分野だという。
データセンター事業領域で強化していくポイントは3点あるという。1つは仮想化。中でもディザスタリカバリを仮想化技術の延長線上にあるものとして、今年度の成長を見込み、強化を続けていくという。2つめはクラウドコンピューティング。OSより上の領域、アプリケーションなどをパッケージ化したものを「アプライアンス」として位置づけ、ハードウェアに依存しない仕組みを提供していく。また、自社内とクラウドの運用を自動化していくしくみを「サービスドリブンデータセンター」と定義し、各種製品を投入していくとしている。3つめは、SUSE Linux Enterprise Server(SLES)への移行ソリューション。Solarisなど、UNIXからの移行や、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)からの移行を促していくという。
具体的な施策としては、本日発表になったMigrateのほか、年内に2製品を追加し、無償プログラムなどを通して認定エンジニアを1,000名に拡大。パートナーを50社に拡大するほか、SLES対応ソフトウェアを50社500製品増、さらにSI支援コンサルティングを15社に提供する。
アイデンティティ&セキュリティ分野では、現在は2位か3位の状況を、来年度までにはID管理分野での国内市場シェアNo.1を目指すという。既に特権ユーザー管理ツール「Privileged User Manager」を発表しているが、統合ログ管理ツール「Sentinel」を10月に投入する。パートナーリクルートメントは現在5社をさらに5社追加。コンサルティングサービスを拡充し、IDマネジメント起案を支援したり、現状の調査、課題の分析、さらに導入展開まで実施するという。「お客様を全方位でカバーできるのはノベルだけ(アカウント営業統括部 アイデンティティ工藤氏)」と強気の姿勢を示した。
ノベルのID・セキュリティ管理製品群 |
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Linux事業では、サーバベンダーとの協業展開が中心。特に徳永氏はミッションクリティカル分野でのLinuxサポートの強化を強調。昨今発表になったIBMとのSolaris移行支援ソリューションのような取り組みを、他社にも横展開し、パートナービジネスを強化していくとした。
今回発表になったMigrateの解説の前に、まず同社の仮想化市場に対する見解を表明した。現在の仮想化市場は、古いサーバの延命やテスト環境で利用されてきたプリミティブの状況から脱し、さらに市場を拡大して要求水準が高くなっているのだという。そのため、「周辺ツールが追いついていない」「信頼の置けるツールがない」という問題を抱えている。また、「製品群は多いが、製品選択に悩む可能性がある(徳永氏)」として、「異種混在環境(マルチベンダー仮想環境)を取り扱えるツールの導入と、仮想環境と物理環境の両方が取り扱えるツールの導入が必要」と説いた。
こうした中、新たに投入するのがMigrate 8.1だ。PlateSpin Migrateは、PlateSpin Workload Managementシリーズの1製品と位置づけられ、OS/アプリケーションをまとめたシステム単位(ワークロード単位)で、P2V(物理から仮想)、P2I(物理からイメージ)、V2V(VMwareからHyper-Vなど)、I2Vなどを実現する製品。物理、仮想、イメージ、OSなどに依存せず、自由にハードウェア間を移動できるのが強み。対応するOSは、Windows、Linux、Solaris。対応するハイパーバイザはVMware、Xen、Hyper-V。さらにサーバ稼働中の移行が可能だという。
新製品では、こうした従来の機能をさらに強化。Windows Server 2008とWinodws Vistaのサポートのほか、物理サーバ上にあるSolarisを仮想サーバ上のSolarisにあるZoneコンテナへの移行を「業界で初めて」サポート。各種対応製品のラインアップを拡充した。
そのほか移行時のパフォーマンス強化や、移行計画時のタスクリスト作成、移行テストなどで「各種工程を大幅に削減できる」という。
価格は、3つの体系を用意。UNIX以外のサーバ移行単位の場合、1台から149台までのサーバ移行ライセンスに1年間プライオリティメンテナンスで2万7,600円(税抜)。UNIX以外のワークロード単位の場合、1台から149台までのサーバ移行ライセンスに1年間プライオリティメンテナンスで4万3,320円(税抜)。UNIXの場合は、サーバ移行単位と1年間プライオリティメンテナンスで22万4,280円(税抜)。初年度1000社の販売を目指す。
PlateSpin Migarate 8.1の画面 |
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※掲載当初、PlateSpinの価格が2月時点のものでした。読者ならびに関係者の皆様にはご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます(本文は修正済みです)。
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