- 2009/07/28 掲載
データセンター、クラウド、SIなど、日立の情報通信系3社完全子会社化によって注力の分野
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完全子会社化を正式発表された企業名と日立の出資比率 |
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日立は、自動車機器や薄型テレビ、HDD事業などの低迷で、2009年度に7,900億円近い営業赤字に陥っており、さらに28日に発表された4-6月期の連結決算も前年同期の315億円の黒字から826億円の赤字に転落。経営の立て直しが急務になっている。
グループ内では、半導体事業を担うルネサス テクノロジがライバル関係にあるNECエレクトロニクスと事業統合の方向で協議を行っているほか、日立工機と日立国際電気の連結子会社化、自動車機器やコンシューマエレクトロニクス事業の分社化など、急速にグループ内の再編を進めており、今回の発表もその一貫となる。
日立グループの事業再編 |
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完全子会社化が発表された5社のうち、情報通信システム事業を営む、日立情報システムズ、日立ソフトウェアエンジニアリング、日立システムアンドサービスの3社は、いずれも2009年度は黒字。ただ、NECや富士通といったライバル企業がIT分野での構造改革を実施しており、日立グループでもワンストップサービスの実現が求められていた。
3社の子会社化によって、強化する事業は1.グリーンデータセンター事業、2.アウトソーシング、クラウドコンピューティング関連事業、3.グローバル事業、4.分野ごとのシステムインテグレーション体制・提案力強化、5.組み込みソフトウェアなどの開発体制の拡充の5点だという。
日立では4月に、グループのIT基盤を集約し、そのうえで環境、エネルギー、次世代交通システムなどを展開するなど、情報、電力、電気事業の融合を推進するための組織「情報・電力・電気融合事業推進本部」を設置している。
今後、日立グループではカンパニー制を推進。情報通信システム、電力システム、情報制御システム、都市開発システム、電池システム、防衛システムなどの7カンパニーを主軸に、主要グループ会社群を含めて、40の事業体(カンパニー)で並列経営を実施していくという。事業持株会社である日立製作所は、経営サポート機能や、ヒト、モノ、カネなどの共通リソースの分配機能に特化していく。
カンパニー制の概要 |
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4月から日立製作所の社長に就任している川村隆氏は、元日立マクセルの会長。各社を完全子会社化することで事業再編スピードの向上と求心力向上を狙う。
今後日立では2009年度に「集中的な改革推進による再生」を実現し、2010年度に「改革成果の確実な刈り取り」を行うとしているものの、2009年度の赤字は避けられない見通し。
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