【連載】「金融恐慌の後に新しい市場価値を創出する次世代人材の姿」
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米国の金融不安から派生した世界同時株安、円高などの影響で日本の輸出産業は大打撃を受け、日本経済を牽引してきた企業が非常に厳しい経営状況になってきている。しかし、この金融不安からきた世界規模の恐慌がターニングポイントとなり大きなパラダイム変化が起きるのではないかと、ナレッジネットワーク 代表取締役社長、サイバー大学 客員教授の森戸裕一氏は語る。本連載では、金融恐慌の後に新しい市場価値を創出する次世代人材の姿について考える。
世界規模の恐慌がもたらすパラダイム変化
| ナレッジネットワーク 代表取締役社長 サイバー大学 客員教授 森戸 裕一氏
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創業以来、企業の情報化投資と戦略的な人材育成の支援を中心にサービスを提供してきた。半年ほど前からは財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC)の企業IT利活用動向調査委員会の委員も務め、日本における企業の情報活用の実態の把握を行ってきた。今回の米国の金融不安から派生した世界同時株安、円高などの影響で日本の輸出産業は大打撃を受け、日本経済を牽引してきた企業が非常に厳しい経営状況になってきている。しかし、この金融不安からきた世界規模の恐慌がターニングポイントとなり、大きなパラダイム変化が起きるのではないかと私は期待している。これまでの産業構造の矛盾を解消し、新しいビジネス領域を創造する意欲がある企業、その知識を有し行動できる人材だけが不況期からいち早く抜け出し、景気の循環の中で次の好景気の主役になれるのではないかと感じる。
世の中の多くの人たちは、自分が知っている世界が将来も継続することを望み、現状に満足して変化することを避けているように見える。これだけ変化が激しい時代でも未来を想像すること自体を面倒だと感じているようにも思える。このような状態はいわゆる「茹で蛙」状態と称されているが、今回の金融恐慌によるショックは、我々「茹で蛙」状態の日本人にも熱く感じたのではないかと思う。では、ショックを感じた「茹で蛙」は、というと、焦るだけで茹でられている鍋の中から飛び出せない、鍋の外に新しい世界が創られはじめているということを考えることができない、または、この期に及んでも鍋から出るのを面倒だと感じている、などさまざまだろう。
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