- 2025/04/08 掲載
昭和な管理職が悩みがち…合理的な「タイパ世代」部下を育てられない「根深い」理由
連載:何がなんでも定時で帰るためのタイパ仕事術
「タイパ世代」には絶対に通用しない「あの価値観」
4月となり、部署異動や新入社員の入社などで新たな部下と仕事をする機会も増えると思います。最近、若い世代の多くは「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視し、最短距離で成果を出すことを優先することが多いと言われています。その一方で、上司世代は時間をかけて経験を積むことが重視されてきたため「タイパ思考」とは異なる価値観を持つ人も珍しくないでしょう。
日本企業における従来の仕事観では「長時間働く=成果を上げる」という価値観が根強く残っているケースがしばしば見受けられます。いわゆる「昭和の働き方」と言われるものです。しかし、タイパ世代にとって重要なのは「どれだけの時間をかけたか」ではなく「いかに効率よく結果を出すか」であり、こうした従来の考え方でパフォーマンスを発揮しづらいことも考えられるでしょう。
では、そうしたタイパ世代と仕事をする上で、上司がまず意識するべきポイントは具体的にどんな点なのでしょうか。
タイパ世代のマネジメントで意識するべき「2つの大前提」とは
筆者が推奨する、まず意識すべきポイントは次の2つです。- 仕事量ではなく成果を評価する
- 「とりあえず会議」「とりあえずメール」をやめる
まず、1.の「仕事量ではなく成果を評価する」についてですが、前述のとおり、タイパ世代の部下は、長時間働いたかどうかよりも、効率的に成果を出した点が評価されることを望む傾向があります。「どれだけの時間を使ったか」ではなく「何を達成したか」に焦点を当てる評価軸を意識しましょう。
たとえば「何時間働いたか」ではなく「目標に対してどの程度の成果を挙げたか」で評価基準を設定すると、モチベーション向上に有効でしょう。その際、何もしていない時間に対するマイナス評価も控えることを考えましょう。
そして、2.の「『とりあえず会議』『とりあえずメール』をやめる」に関しては、「とりあえず~」という指示が嫌われることがある点に留意するのが重要です。目的の不明確な会議や、必要以上に長いメールはタイパ世代から敬遠されがちです。分かりやすいメールを書けない上司に対して不満が溜まるかもしれません。事前に議題を明確にし、会議を短縮する努力をしましょう。たとえば、定例会議を「情報共有は事前に資料を配布し、会議では意思決定に集中する」といったスタイルに変えることで、時間の無駄を削減できます。メールについても「結論を先に書く」「要点を簡潔にまとめる」といった工夫が求められます。
このように、タイパ世代の部下が最大限のパフォーマンスを発揮するためには「時間をかけた努力」ではなく「短時間での成果」を評価する文化を築くことが、管理職に求められると言えます。 【次ページ】動画の「倍速視聴」世代に有効な「情報共有」の方法
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