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  • 2008/01/18 掲載

中小企業の戦略的情報システム構築術(3):クレドを確たるものにする内部統制

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コストに対する考え方がシビアな中小企業は、どのように情報システム構築を実施していくべきなのか。インストラクション 代表取締役社長 神田祐治氏の連載第2弾「中小企業の情報システム構築術」の第3回は、ザ・リッツ・カールトンなどで企業理念として用いられる「クレド」と「内部統制」の関係性に着目して解説する。今回は「1枚で分かる日本版SOX法実施基準概要図」をダウンロード提供

インストラクション 神田氏執筆一覧

クレドとは何か

 最近のビジネスシーンでは、「クレド」というラテン語を聞く機会がよくある。クレドとは、「志・信条・約束」の意味であり、企業理念を表わす言葉として企業マネジメントを語る際に使われる。企業理念は、どの企業にも存在しているはずだが、それを組織の内外に活用させている企業はそうは多くない。

 医薬機器メーカーのJ社は、そのクレドをウェブサイトに「我が信条(Our Credo)」として高らかに掲載している。それは、「何のために」自社はこの社会に存在しているのかを明らかにするためである。このようなJ社の姿勢は、内部からも外部からも多くの人々の共感を得られるのではないだろうか。

 また、クレドを名刺サイズの紙に印刷して「クレドカード」として、常に従業員に持たせているのが高級ホテルチェーンのRだ。このホテルの顧客サービスには定評があり、リピーター率も高いため業界ではRホテルのクレドカードが評判になっているという。

 この2社に共通しているのは、内部統制を突き詰めたところから抽出されたクレドを外部に展開していることである。「クレド」は必ず外部統制につながり、顧客という企業周辺に存在するものに対して好影響を及ぼすようになる。企業発展のためのガイドラインの役割を「クレド」が担っているわけだ。

 「クレド」を常に意識している企業の内部統制への不断の努力は、最終的に企業外部の顧客や社会から「信頼」を勝ち取るところとなる。中小企業が内部統制に係る意義はこの「クレド」を確たるものにするためにあると言っても過言ではない。

何のための内部統制か

 内部統制には4つの目的と6つの基本的要素がある。ここで詳述はしないが、これらを踏まえた上での中小企業の内部統制とはどのようなものになるのだろう?

 まず、上場企業のように株主などのステークホルダーや法令のために内部統制を行う必要はないということを確認したい。中小企業の内部統制は純然たる自社の経営の強化のためにあれば十分だ。つまり、自社のために内部統制を行えばよいことになる。したがって、義務としてとらえた内部統制を行うのではなく、経営者自らのリスクをコントロールする内部統制が優先される。なぜなら、経営者=会社であり、経営者に係るリスクが結局は会社そのもののリスクになるからである。

 次に、日本版SOX法に無理に合わせようとせず、会社または経営者がそれぞれの目的を達成するために必要だと考えていることを、内部統制として業務プロセスに組み込んでいくことを選択することだ。経営者の多くは内部統制を間口は広く、奥行きが浅いものとして捉える傾向がある。しかし、業務プロセスに内部統制を組み込むためには、なるべく手を広げず、 「最小限の内部統制の着手」からスタートするほうがうまくいきやすい。そして、それには1年で必ず達成するという条件をつけることを忘れてはならない。つまり、間口を絞り、奥行きを深くとるということなのである。

ミシュランのガイドブック

 ところで、星の数でレストランを評価するミシュランという百年以上の歴史を持つ格付け機関をご存知だろうか?欧米が活動の中心であったミシュランは、最近初めてのアジアの地、東京に進出してきた。そのガイドブックの売れ行きは好調であり、取り上げられたレストランの予約状況も活況を呈しているという。

 このことを冷静に見つめてみると、「食」に興味を持つ日本人は多いが、自分の舌に自信を持っている食通は意外に少ないということに気がつく。なぜなら、ミシュランのガイドブックが簡単に多数の人に信じられてしまっているからだ。

 ガイドブックやガイドラインには「正しい使い方」がある。それは、書かれていることを盲信するのではなく、書かれていることから「文脈」を導き出すことである。ガイドブックやガイドラインをしっかり読み込むことで、書かれている背景やものの方向性は見えてくる。人の舌や活字をそのまま信じるのではなく、自らの頭や体を使った上でこれらを活用したいものだ。

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