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  • 2024/12/26 掲載

【単独】SEGAゲーセン譲受で4000人に「直筆手紙」?GENDA会長が語る裏話

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2020年、コロナ禍でセガのゲームセンター事業を買収したGENDA。買収当時は約28億円の赤字を記録していた事業は買収後わずか1年で黒字に転換し、その後も店舗数を拡大しながら成長を続けている。上場企業としての2023年M&A実施数でも首位となり、その急成長ぶりで注目を集めるGENDAの事業戦略やビジョンについて、同社の創業者で現会長の片岡尚氏に、貴重な単独インタビューで話を聞いた。
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セガのゲームセンター事業を買収したGENDAの成長戦略について、単独インタビューで片岡氏に聞く

コロナ禍での「セガ エンタテインメント買収」の裏側

──GENDAと言えば、2020年のコロナ禍にセガのゲームセンター事業(セガ エンタテインメント)を買収し、かつその再生に成功された会社という印象が強いです。セガとはもともとお付き合いがあったのでしょうか?

片岡 尚氏(以下、片岡氏): 2018年に私が21年間務めたイオンファンタジーを卒業して独立するにあたって、それまでお世話になった方々にご挨拶をしていました。その時にセガサミーホールディングス(HD)の里見治会長と杉野行雄社長(当時)には「今ではないですが、いつかセガがゲームセンター事業を手放すことがあれば最初にお声をかけてください」とお伝えしていたのです。里見会長は笑うことなく私の本気を理解してくれていて、「わかった。もしその時が来たら」と仰ってくださいました。

──2020年、まさにその2年後に「その時」が来たのですね。当時200店舗、4000人の雇用を抱えて、ゲームセンターのみならずカジノ事業などいくつも課題を抱えていたセガサミーの杉野さんも、緊急事態宣言の危機の中ですぐに片岡さんの発言を思い出したと聞きました。

片岡氏:実際に声をかけていただいたのは、2020年4-5月の緊急事態宣言の後である7月頭でした。すぐに「ぜひ、やらせてもらいたいです」と返事をして、話を聞いた1週間後にこちらのできる最大限の経済条件を提示しました。

──すごいスピードですね!?同業でもあるセガサミーHDが、すぐにでも手放さなければと思う事業を、なぜGENDAはリスクを取って買収できたのでしょうか?

片岡氏:1つ目に「コロナがいつかは収まると信じていた」ということだと思います。私はずっとゲームセンター事業に携わってきましたから、エンタメとしての「ゲーセン」はコロナ禍前の状態に100%戻ると確信していました。実際には会議とか出張とかビジネスのあり方はもう不可逆的に変わりましたけど、これまでどんな不況や天災があってもエンタメがもとに戻らないことはなかったからです。

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片岡氏はコロナ禍でもエンタメ事業の復活を見据えていたと語る

 2つ目に、GENDAは2018年の設立後、すでに2件のM&Aを行っていました。社内にはM&Aチームがあって、デューデリジェンス(Due Intelligence、企業の資産価値を評価するプロセス)を行うチームがいました。資金調達にすぐ動くと同時に、コロナ前比較で50%だった場合、60%だった場合とさまざまなパターンをシミュレーションしていました。金額など含めた基本条件はその翌月のうちにおおむね合意されていました。

 ゲームセンターをめぐる状況については、ちょうどM&Aを検討していた夏が最悪のタイミングで、実質的な合意に達した段階では、顧客が戻り始めていたのです。契約のサインをした同年11月頭は『鬼滅の刃 無限列車編』が歴史に残る大興行をしていた最中で、連動してゲームセンターもずいぶん復活していました。そのため、同年12月末のクロージングのタイミングでは「これは相当に大きな事業になりそうだ」という感触を持ってセガ エンタテインメントの株式を85%取得し、GENDAに迎え入れることができました。 【次ページ】「人員削減ゼロ」買収を実現できたワケ
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