右肩上がりに成長し続けるゲーム業界。その中でも、最大の市場規模を誇る北米市場で、強いブランド力を持ち、熱烈なファンを数多く抱えているのが「SEGA」だ。最近では、同社の主要IP(知的財産)である『ソニック』を原作とした映画『Sonic the Hedgehog』の第1弾(2020年公開)、第2弾(2022年公開)が北米で大ヒットし、大きな話題を呼んだ。日本での存在感はそれほど高くはないが、北米ではポケモンやマリオと並ぶほどの人気だ。なぜ、ソニックは北米の若者の心を掴んでいるのか。絶好調のセガで、代表取締役副社長を務める内海州史氏に話を聞いた。
内海州史氏(以下、内海氏):私の見ている海外文脈で言うと、セガは看板キャラクターであるソニックに救われたところがあります。特にパラマウント映画『Sonic the Hedgehog』(2020、興収3.2億ドル)、『Sonic the Hedgehog 2』(2022、興収4.05億ドル)のヒットがブランド力を高め、お陰で再びいろいろなチャンスにつながってきている状況があります。2024年には第3弾となる『Sonic the Hedgehog 3』の公開も予定されています。
一橋大学経済学部卒業、ペンシルバニア大学ウォートン校(MBA)卒業。1986年ソニー、1994年 Sony Computer Entertainment of America、1996年 Sega of America、2000年ディズニーインタラクティブ アジア日本代表(VP and Managing Director)、2004年キューエンタテインメント設立、2014年ワーナーミュージックジャパン代表取締役社長、2016年ユーキャスト・ラボ 代表取締役社長を務め現職。
──今年、ゲーム原作映画のハリウッド版として、興行収入約14億ドルを記録的したマリオや、絶大な人気を誇るポケモンと並び、ソニックもゲーム原作映画の歴代トップ10に入っています。しかも地域別に見てみると、2022年公開の『Sonic the Hedgehog 2』は、さすがにマリオの5.7億ドルには敵わないまでも米国で1.9億ドルと『名探偵ピカチュウ』(1.4億ドル)よりも売れているんですよね。日本発なのに、ここまで人気が北米中心に偏っているキャラクターは、ほかにありません。