アビーム コンサルティングは11日、製造業のアフターサービスに特化した業務改善コンサルティングを開始すると発表した。製造業では、製品の性能や価格での差別化が難しくなっていることから、アフターサービスが重要視されてきている。この分野で情報システムを活用する割合は、総務省の平成17年度情報通信白書によると、平成14年から16年にかけて2.2倍に増加し、数字の上からもそれが裏付けられている。

　また、団塊世代の退職など人材環境の変化に伴い、特に修理やメンテナンスに一定の技術力が必要となるメーカーから、業務改善の支援ニーズは高まっているという。アビームコンサルティングでは、こうした環境を背景に、従来、コスト負担が大きいと考えられてきたアフターサービスを、収益の源泉に転換するためコンサルティング支援を強化するという。

　同サービスでは、サービスプロセス管理から部品管理、人材管理まで幅広く網羅するとともに、特に、ECMと呼ばれる情報システムの導入をベースとしたコンサルティングを行う。

　通常、アフターサービスの業務改善には、主にコールセンターを基点とした修理業務のサービスプロセス管理や修理部品の在庫管理などを統合した情報システムを活用する。しかし、最も人に依存している修理、メンテナンス業務自体の改善には不十分なため、同社では、それらの方法に加え、修理、メンテナンスの手順を、文書だけでなく画像や動画によって情報共有と管理を行う。さらに現場で課題となっている品質情報を収集して製造プロセスへフィードバックし、品質改善に役立てる、ECMと連携したシステムの構築と活用を支援する。

　同サービスの導入により、経験に関係なく質の高いアフターサービスを迅速に提供することができるようになる。経営面では、作業とコストの見える化により、業務改善に活用できるという。