- 2007/11/13 掲載
ボーン・グローバル:フィンランドからグローバル・ベンチャー企業をつくる人々のビジネス+IT戦略(4)(2/2)
15人でグローバルオペレーションするレイキ社
レイキ社のプロダクトマネジャー、 パヌ・ピトカニネン氏(左)と、 輸出担当マネジャーのノーラ・スタフ氏(右) |
そこでレイキ社は、このユニークなテクノロジを武器に、設立当初から積極的に海外展開を図っている。現在のところ、ヨーロッパ(イギリス、ドイツ、オランダ等)を中心にアメリカ、中国などで販売実績があり、まさにグローバルで販売実績があるソフトウェアだといえる。また、地勢的な広さだけでなはく、クライアントには、ロイターや、ファイナンシャルタイムス、ユーロスポーツと世界有数のコンテンツプロバイダが含まれている。
しかしながら、レイキ社は設立2001年で、従業員数はわずか15人。セールスに携わるスタッフはわずか2人だそうだ。また、オフィスもヘルシンキとロンドンのわずか2か所だ。
レイキ社では、これらの規模的な問題を解決するために、ノキアのデベロッパープログラムや、EUの海外進出プログラムなど、大企業や公的機関が主催するさまざまなプログラムを利用して海外展開を促進しているとのことである。
ザ・フィンランド・システムのなかで自律的に成長する
2003年には初めての損益分岐点を迎えたというレイキ社は、外部からの大きな資金調達もなく、自律的に成長しているという。この背景には、ザ・フィンランド・システムによる恩恵もあるようだ。まずは、このような高度なテクノロジを開発していくうえで、優秀なエンジニアの獲得が不可欠であるが、フィンランドの教育機関から生み出される優秀なエンジニアを獲得できることは製品開発上の大きなアドバンテージといえるだろう。
また、R&Dを積極的に支援するテケスの資金援助を受けることで、規模が小さいながらも大きな開発チームを維持することに役立っているとのことだ。
そんなレイキ社の現在の課題を、「レイキ社のユニークなコンテンツレコメンデーションエンジンの可能性をクライアントに理解してもらうこと」と輸出担当マネジャーのノーラ・スタフ氏は語る。
この分野は、アイルランドのチェンジングワールド(ChangingWorlds)社をはじめとして有力新興企業が多数ひしめきあっている。今後も、レイキ社のさらなる飛躍に期待したい。
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