- 2007/08/07 掲載
【セミナーレポート】多角的な視点から経営力強化の道を示す意欲的な試みのセミナー
会計基盤強化で実現!~経営力強化実践セミナー開催レポート
わが国も真剣な取り組みが必要
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「わが国は、1990年代の初頭には世界でもっとも豊かな国として認められていた。しかしその後、かつての経済停滞国や新興国に追い上げられ、今ではGDP17位に甘んじている。バブル経済崩壊後の長い低迷を経て、ようやく舞台に戻ってみれば世界の様相は一変していた。日本経済は世界の動きから取り残されていると言わざるを得ない」。そして野口氏は、この劇的な変化を引き起こした2つの大きな理由を挙げる。
「一つは『冷戦の終結』だ。東西の対立がなくなり、かつてのソ連、東欧、インドといった国の労働力が流入してきた。特に労働集約型の産業では、賃金の安いこれらの国との技術格差が縮まるにつれ、日本の製造業は衰退せざるを得ないだろう」と予測は厳しい。
もう一つの理由は「IT革命」だ。「アメリカのハンバーガーチェーンのドライブスルーでは、客の注文情報を2,000km離れた情報処理センターに送信する。ここで、注文者の声と顔写真を付け合わせて返信するのだ。この結果、注文の間違いがなくなり、時間あたりの客扱い効率は2倍になった。このシステムを支えているのはインターネットだ。インターネットによって通信コストは限りなくゼロに近付き、距離はビジネスの問題ではなくなった。ふだんITというと日本人は高度な情報技術分野への応用を連想しがちだが、この例が示すように、あらゆる分野の産業にきわめて大きな影響を及ぼすテクノロジー(GPT=General Purpose Technology)だというのを理解するべきだ」。
さらに野口氏は、日米の企業とその環境に言及する。「アメリカではエクソン・モービルやGEといった企業に比肩して、マイクロソフトやインテル、シスコシステムズ、そして近年ではヤフーやグーグルといった新勢力が将来のリーディングカンパニーとして登場してきている。これらの企業の共通点は若くてITに関係していることだ。彼らのビジネスは、中国などにはできない。ここに、低価格化とは異なるフェーズを拓いて生き残る道がある。こうした企業が日本には現れていないことが問題だ。しかし日本人の能力はもともと高い。この15年間に起こったこれらの変化は、歴史的には特殊な現象といえる。この事態に対して持てる能力を充分に発揮し、政府や会社に頼ることなく一人ひとりが真剣に取り組んでいくことが未来を拓く」と結んだ。
NECグループの新世代ERP「EXPLANNER/Ai」
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そうした需要の高まりに応えるかたちで、NECが2006年8月にリリースしたのが今回の「EXPLANNER/Ai」だ。「EXPLANNER/Ai」は、業種・業務別の9種類のパッケージから成る、NECの成長企業向けERPソリューション「EXPLANNER」シリーズの中核的存在となる基幹業務パッケージであり、会計や販売、給与、人事といった基幹業務機能を担っている。前身のシステムから数えると、30年の歴史と2万本以上の採用実績を有し、様々な分野の経営ノウハウが踏襲された新世代のERPである。
「EXPLANNER/Ai」の特長は、基本コンセプトである「経営力強化」のもと、大きく以下の3つが挙げられる。
●事業環境の変化にスピーディに対応可能
「EXPLANNER/Ai」では、企業内に存在するさまざまな経理情報を会計システムに一元集約し、リアルタイムに処理された情報をあらゆる切り口で取り出すことで、経営状況の的確な把握をサポートできる。たとえば管理会計帳票では、月別推移、部門比較、三期比較、四半期比較など多彩な切り口で貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書等を出力できるのを始め、その他に約200種類の帳票をテンプレートとして提供している。また経営分析を行い、Excelを用いた経営比率分析表やグラフなどを作成できるため、会計データからリアルタイムに経営指標を提供することが可能になっている。
●内部統制強化を支援
SMB企業では、RCM(リスクコントロールマトリクス)の作成といった文書化に関する専門知識を持つ人材が少ないため、取り組みの初期段階で早くも戸惑う会社は少なくない。「EXPLANNER/Ai」では、業務分野に応じた文書テンプレートを始め、承認フローの設定や文書のステータス確認、更新履歴の照会といった、内部統制対応文書に必要な機能を網羅している。このため、社内にノウハウがまったくない状態でも、導入してすぐに内部統制対応の作業にかかることができる。もちろんアクセス権限設定やパスワード管理、ログ分析といったセキュリティ面の機能も万全だ。
●効果的・効率的な経営基盤を実現
外部とのシステム連携を容易にするインターフェースを提供して、経営情報の集約を容易にしている。取り込み元のシステムがデータベースやCSVのようなファイルであっても、レイアウトを生かしたまま簡単に取り込むことが可能なため、さまざまなシステムに散在するデータを迅速に集約し、経営判断指標として活用することができる。
また、NECグループではERPだけではなく企業の内部統制強化を支援するソリューションも展開している。経営力強化に貢献するITの有効活用をお願いして終了した。
内部統制評価への取り組みが大切
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まず丸山氏は初めに意識すべきこととして、財務報告に関わる内部統制であるため、財務報告に関係ないものは対象外とし、対象領域を明確に絞り込むこと」「文書化にしても、“評価を行うための文書化”である点を意識し、詳細な記述を心がけること」「今後毎年行う業務であるため、効率的な実施方法と将来の要員の教育に留意すること」などを挙げた。また評価にあたっては、決算・財務報告プロセスに関わる内部統制の評価が特に重要である点にふれた。
「販売管理費などが含まれる給与計算プロセスや、売上高の計上に関わる販売業務プロセスなどがすべて集まって、最終的に決算・財務報告プロセスに集約されてくる。いずれももっとも大きな金額が動く部分であり、同時に不明瞭な処理によって不正が生じやすいだけに、評価における注目度も高い。それだけに不備のないように取り組むべきだ」。最後に丸山氏は、「業務プロセスの雛形からではなく、リスクの視点から見た制度対応が必要だ」と述べ、そのポイントとして「プロセスの可視化ではなく、リスクを提言するコントロールの可視化が必要である」と強調した。
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「経営力強化」のキーワードのもと、巨視的な経済情勢分析、ITソリューション、そして評価の方法論といった多角的な視点から取り組んだ今回の試みに、参加者の満足度もひときわ高い催しとなった。
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