- 2007/06/11 掲載
【連載】NGNとは何か(3):「IRIS」を具体化したプラットフォーム(2/2)
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WMSの仕組み |
1.各サーバやアプリケーション単位での負荷状況をリアルタイムに計測
2.全体の負荷状況を自動的に判断し、最適なサーバ、ネットワークでアプリケーションの拡張、縮退を実施
アプリケーションは、それぞれ利用の形態によって、たとえば夕方や深夜、また月末などにピーク時間を迎えるなどその利用量が異なっている。WMSの役割は、1つのシステムに複数アプリケーションを稼動させるために、巨大なサーバプールを構築しながらも、リアルタイムにシステムを最適化することにある。また、1時間に1トンの水が必要な企業もあれば、1リットルだけで十分な家庭があるように従量制から固定制まで幅広いラインアップをそろえている。WMSが収集した各アプリケーションの負荷情報は、新しい課金体系としても利用される。
ホスティングサービスなどはサーバ単位などで課金されているが、「ULTINA On Demand Platform」KeyPlatでは、実際にアプリケーションが使用したコンピュータパワーを元に課金し、ネットワークからOracleまでの運用保守、各種ライセンス費を含めてサービス提供している。これは、まさに電気・水道と同じようにオンデマンドな課金体系が実現しているといえる。
1.携帯電話向けWebサイト
まずは携帯電話向けWebサイトでの利用をご紹介したい。携帯電話向けWebサイトへのアクセス負荷は、朝夕の通勤時間帯、昼休み、夜から深夜帯にかけて、というように1日の中で大きく変動しピークが何度も訪れる。さらにキャンペーンや口コミによる特異的な負荷上昇も特徴だ。
インターネットアクセスの普及台数は携帯電話がPCを上回り、携帯向けWebサイトはPC向けWebサイト以上のアクセスが予想される。そのため、それを支えるシステムに対しても、安定性や負荷に耐えうるプラットフォームが求められている。
2.SaaS型ビジネス
SaaSビジネスは、1つのシステムで複数のユーザー企業に対してアプリケーションをサービスとして提供する仕組みであるが、そのメリットは、システムを自社で持たずにアウトソーシングし、ソフトウェアをサービスとして利用することができる点にある。
逆にSaaSを提供する企業は、ユーザーに代わりハードウェアやネットワークを構築、運用する必要がある。しかしこれには、インフラを調達するための投資やシステム負荷に応じた追加投資、運用コストなどが必要になってくる。「ULTINA On Demand Platform」KeyPlatは高品質なネットワーク、ハードウェア、運用、ミドルウェアまでを一括で提供するため、SaaSを提供する企業はアプリケーションの開発に専念することができ、より付加価値の高いサービスの創出に注力することができる。また、初期投資不要なので、これからSaaSビジネスを立ち上げるソフトウェア会社にとっても最適だと言えるだろう。
ソフトバンクテレコムでは、今後も「ULTINA On Demand Platform」KeyPlatのような企業ユーザにとって使い勝手の良いネットワークとプラットフォームを連携させたサービスを提供していく予定だ。経営課題としてよく挙げられる「資産の最大化」「コスト/リスクの最小化」「経営資源の最適化」を実施するプラットフォームサービスを通じて、現代に必要なスピードとイノベーションを保ちながら、企業の継続的成長を支える。
加藤雅史
ソフトバンクテレコム インテグレーションサービス事業本部 早稲田大学理工学大学院課程を終了後、サン・マイクロシステムズに入社。その後、2004年からソフトバンクBB、ソフトバンクテレコムにてグリッドなど仮想化技術を使用した新しいプラットフォームサービス開発を担当。 |
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