- 2007/06/11 掲載
【連載】NGNとは何か(3):「IRIS」を具体化したプラットフォーム
月間連載
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図1 ITとCTのコンバージェンス NGNでは、IT(情報技術)とCT(通信技術)を組み合わせたサービス提供が可能になる |
その構想を具体化したのが、「ULTINA On Demand Platform」KeyPlatだ(図2)。ソフトバンクテレコムが推進する次世代ICTプラットフォームサービス構想である「IRIS」のコンセプトを踏まえて構築されており、このNGNの上を流通するさまざまなサービスやアプリケーションを発信する企業やSaaS(Software as a Service)ベンダーのシステム基盤として最適なプラットフォームを目指している。
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図2 「ULTINA On Demand Platform」KeyPlatの概要 |
たとえて言うなら、「水道のように、高度に管理されたダムから上水道を通して安定的に提供される」インフラを、NGNを通してデータセンターから提供するサービスということだ。具体的には下記のようなイメージとなる。
システム資源のオンデマンド提供 | 必要な時に蛇口をひねれば水が出てくる |
総合データセンター | 井戸のような組み上げ式のものから、整備された上下水道へ |
自動制御 | 井戸掘り職人が不要に |
セキュリティ確保 | 安心して飲める |
コンピュータリソースをオンデマンドに提供するには、巨大なサーバプールを構築する必要がある。既存システムの考え方であれば、サイロ型という1アプリケーションに対して1システムというのが一般的であり、アプリケーションのピークにあわせてシステムも設計されている。1つのアプリケーションのために巨大なサーバプールを構築するのはコスト的に厳しいが、水道のようにすべての人々のために巨大なダム(サーバプール)を建設すれば、共有で利用でき安価に抑えることが可能だ。
実際のコンピュータリソースにおけるダム建設方法としては、現在、各ベンダーが提唱している仮想化技術を用いるのが最適だ。「ULTINA On Demand Platform」KeyPlatも、Oracle Gridによる仮想化技術を採用している。とはいえ、仮想化技術を用いてシステムを構築すれば、ダム建設が終わるわけではない。各仮想化技術は、ベンダーが強みとしているレイヤーにおいて仮想化が実現され、システム全体の仮想化、最適化は実現できていないためだ。
ここで言うレイヤーとは、ネットワーク、サーバ、Oracleなどのミドルウェア、アプリケーションなどさまざまな層を指す。
「ULTINA On Demand Platform」KeyPlatも、Oracle Gridのほか、ネットワークの仮想化やアプリケーションの仮想化などさまざまな技術を取り入れている。また、仮想化されたシステム全体をリアルタイムに最適化するために、WMS(Workload Management System)というミドルウェアが存在する。
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