- 2007/02/15 掲載
【連載】Windows VistaとはどのようなOSなのか?第1回/全5回:Vistaが提供する新基準(2/2)
C MAGAZINE MOOK「最新 Windows Vistaプログラミング徹底理解」2月17日発売!!
前述のとおり、デジタル世代の我々は、多くのデジタルデータに囲まれており、そのデータを使いこなし新たなデータを生み出すことが求められている。このような状況下において、Windows Vistaは我々に対して、いったいどんな新基準を示そうとしているのだろうか。「体験」の次にやってくるのはどのような考え方なのだろうか。
「デジタルの世界にクリアな視界を開く」
(Brings clarity to your world)
これが、Windows Vistaの目指すビジョンである。Vistaにはイタリア語で「光景」という意味があり、英語の「View」の語源にあたる。英語でも「美しい光景、眺望、見通し」などの意味を持ち、転じて「未来への展望」という意味も持つ。Vistaという言葉から、明瞭さや物事をクリアにするイメージが明確に伝わってくる。つまり、この「明瞭さ」や「見通し」のよさこそ、「体験」の次にある考え方である。
Windows Vistaにより、快適かつ高度な操作感を前提とした、情報に対する「明瞭さ」も性能である、と新基準を示している、といえるだろう。「体験」を前提にしつつ、何万ともなる大量データから必要な情報に迅速にたどりつくこと、それが次世代のオペレーティングシステムに求められていることである。
また、常時インターネットに接続する環境となったことで、OSそのものが安全を守るための仕組みを提供することが求められている。PCへ潜入しデータの破壊や情報を盗み取るコンピュータウィルス・スパイウェア等のマルウェアの脅威、また金銭や情報を目的としたスパムメールやフィッシングサイトなどによる「振り込め詐欺」(オレオレ詐欺)的な心の隙へつけ入る攻撃手法(ソーシャルエンジニアリング)への変化から、あらゆる場面でセキュリティ対策が必要となっている。
さらに、デジタルカメラや携帯電話の普及、ひとりで複数台のPC所有やテレパソに代表されるようなあらゆる場面でPCが利用されるようになり、デバイスとデバイスをつなぐハブのような役割も必要とされているのではないだろうか。
このビジョンと求められるものを高い次元で実現するため、下記表のとおりConfident/Clear/Connectedの3つのCをコンセプトにあげ開発を進めた。このようなコンセプトをもとに、機能面においても多くの改善や拡張がなされた。そして、高度な操作感の一歩先にある、自分が使いたいように情報を使えるようにするための「明確な方法」がVistaにより提供される。
コンセプト | 目的 |
Confident | OSとしての基本機能の強化。よりセキュアで信頼性が高く、企業内での管理コストを適正化させる |
Clear | 情報の管理と利用方法の明確化。情報の管理を効果的に行い、PCを操作するユーザーの生産性を向上させる。 |
Connected | 情報、人、デバイスの密接な連携。共同作業(コラボレーション)を促進させ、多くの情報やデバイスへのシームレスな接続を実現する |
多くの情報の取り扱い、安全への責任、シームレスな連携、これら多くの求められていることを包括的に実現するため詳細を含めると100 を超える新機能が実装されている。では、次回からWindows Vistaの機能紹介を進めよう。
マイクロソフト
システムテクノロジー統括本部
エバンジェリスト
本記事は、2月17日発売のC MAGAZINE MOOK「最新 Windows Vistaプログラミング徹底理解」から一部を転載したものです。より深くWindows Vistaを知りたい場合はこちらよりムックをご購入ください。 |
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