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  • 2007/02/02 掲載

【連載】ナラティブマーケティング:第3回 意味が評価された3つの大ヒット商品を解読する(2/2)

毎週金曜日連載

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3つの商品は意味が評価された


おサイフケータイの解読シート
※クリックで拡大
図3 おサイフケータイの解読シート
 続いて、おサイフケータイ。おサイフケータイとは非接触型ICチップ“FeliCa”を内蔵した、NTTドコモの携帯電話機による決済サービスの愛称である。今まで財布に入れていた小銭やクレジットカードなどの機能を、1つにまとめて持ち歩くことができる。

 この商品は、「財布の代替」、「決済の代替」、「自己認証」、「セキュリティ」など色々なUSPが挙げられる。しかしながら、2~3日に1回で、1回の利用金額が1,000円以下、主にコンビニで利用しているという使用状況から考えると、「安価製品購入でも、現金代わりに使用できる」ことが重要なUSPであることが分かる。これは、現金がなく、とはいえ、クレジットカードで小額決済をするのに躊躇してしまうような人たちの欲求を充たしたのだろう。

 このUSPから機能的ベネフィットは、現金がなくても小額の買い物ができるとなり、その情緒的ベネフィットは、財布に現金がなくても安心、ということになる。こういう、今までなかった状態がずっと続くとしたら、今いくら持っているかという所持金管理の面倒から解放される。

 この考え方はクレジットカードと同じだが、クレジットカードほど手続きが面倒でなく、小額の決済でも利用できるのが、おサイフケータイのヒット要因である。

 ランキング上位の3つの商品を見てみたが、商品の形態が評価されて購買されているというよりも、むしろ意味が評価されてヒットしているように思える。この仮説を検証するため、次回は2006年に特徴的だったヒット商品をもう少し解釈してみたいと思う。



村山涼一

中央大学法学部法律学科卒。オリコミ(現オリコム)、講談社、NTTアド、東急エージェンシー、旺文社を経て、現在フリーマーケティングプランナー。現在は、企業のマーケティング業務をアウトソースで請け負い、プランニング、コンサルティング、組織構築、社員教育などを行っている。



NTTコム、ドコモ、オリンパス、東京ガスの研修で採用された大ヒット商品ガイド。「必要なのは才能より技術」であると謳う村山式メソッドのコンプリートガイド


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