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  • 2006/12/27 掲載

【中堅中小IT化】 安価なソフトを組み合わせて柔軟なワークフローを実現

【情報化の処方箋 第10巻】中堅中小企業 IT戦略の成功事例 ~業種は違えど、ヒントを得られる~

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毎回、ITを駆使し、業務効率や競争力強化を実現している中堅中小企業にスポットをあてるこの企画。今回は精密部品製造、ステンレス・アルミ合金精密加工を行う大阪製作所に、安価なソフトウェアを組み合わせての効率的な生産管理についてうかがった。

 道具は使い手次第でいかようにも活用できるもの。大阪製作所では、安価なソフトウェアを組み合わせて効率的な生産管理を行っている。トップダウン型の工程管理から、自律型への転換。成功の鍵は、ITツールそれ自体ではなく、発想の転換にあった。

独自技術を活かせる分野で勝負する


【売上アップ】中堅中小企業 IT戦略の成功事例
大阪製作所 代表取締役社長
後藤良一氏
 金属の精密加工を手がける大阪製作所は、自分たちならではの強みを生かすことにこだわり続けてきた。1959年の創業当時は農業機器や変速機の部品加工が業務の中心だったが、こうした分野では価格と納期勝負になってしまい、技術屋としての面白みに欠ける。自分たちの技術を生かせる最先端の分野とは何か?それがアルミ・ステンレスといった難削材の加工技術だったのである。

 1970年頃から精密機器用の部品加工を主に手がけるようになり、最近では東大阪の産学連携プロジェクト「微細加工研究会」にも参加。技術にいっそう磨きをかけた。

 同社では、ITを利用した生産管理にも早くから取り組んできた。Windowsが登場する以前から自分たちでパソコン用データベースソフトを用い、工程を管理していたのである。注文を受けたら図面を元に工程を作り、各機械の担当者が作業を進めていく。最初の登録に多少手間はかかるが、リピート品であれば極めて短時間で加工を完了できる。こうした工夫が評価され、2001年には関西IT百撰の優秀賞を受賞している。しかし、そこに落とし穴があった。

「関西IT百撰に選ばれた途端、社内業務がうまく行かなくなってしまったのです。」(代表取締役社長 後藤良一氏)
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