• 2006/09/15 掲載

「ITを広く深く活用するための俯瞰図が必要」ニチレイ浦野社長【ITガバナンス2006レポート】(2/2)

【IT戦略】ITガバナンス2006 新たなる「ITの使命」~企業感度向上のために~

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経営手段としてICTを活用するのに必要なもの

 それほど大事なICTだが、昨今話題のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)やCGM(Consumer Generated Media「ユーザー主体で生成するメディア」)が新しい価値をどう生み出すのかは、普通の経営者から見て不明瞭な部分が多い。さらに言えば、ICTに関わるコンセプトを吟味しても、ある一面からだけ物事を見ているという場合が多く、経営として判断に迷いやすい。使用目的により使い分ける必要がある地図や、日本の食糧自給率の数字を例に、「ある一面から見て正しくても、別の一面から見ると問題がある」という事象は、ITCを含めほぼあらゆることにいえるのではないかと語った。

 シュンペーターのいう新しい結合を実現するには、広く浅くではなく、深く理解した事象を結合することが大事である。ICTを経営の手段として利用していく上では、ICTを広く深く活用するための俯瞰図を手に入れることが必要で、専門家の立場からそれらをぜひまとめてほしいと訴える。

 また、企業が持っている資源のかなりの部分をICTに費やしながら、経営者は実感としてその使用価値を持ちえないことに深い憂慮を持っている。さらに発達のスピードが速すぎてついていけないと感じているユーザー、経営者との間で相互理解の壁を感じているIT技術者など、ITCを活用するそれぞれが抱える問題は三者三様ですべてを解決する技術はない。しかし、これらを総合的に捉えることができる人材は各企業に必ずいると楽観しており、彼らを見出すためにもICTに関する俯瞰図を業界をあげて作り上げていかなければならないと述べた。


企業人、社会人としての使命を果たすこと

 次に俯瞰図を得た後について、企業として生活者の課題を発見しそれを解決するには、世の中に貢献するという高い志を持つ必要があると述べた。この高い志を支えるものには、高い倫理観と世の中の動静に常に関心を寄せる好奇心、そして論理的思考の3つであり、これらすべてを生活者の課題に結びつけるという意欲が極めて大事である。

 最後に浦野氏は、経済産業省がとりまとめている「社会人基礎力」について触れ、そこで述べられている「考え抜く力」、「前に踏み出す力」、「チームで働く力」を意識しながら社会に貢献していく必要があると語った。同時に、誤りを犯したら自分で正すというセルフガバナンス(自己統治)がすべての中心となる世の中が一番望ましいとして、このようなセルフガバナンスを実践するためにもICTに関する総合的な知見が必要であると締めくくった。

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